2023年1月25日水曜日

西洋昔噺第一号八ツ山羊(長谷川武次郎) その7

P3 国立国会図書館蔵

P3 仕掛け部分を開いたところ

(読み)羊ノ二

と里あは

とりあわ


ね盤゛、こハ

ねば 、こは


しそこ

しそこ


なふた

なうた


りと、狼

りと、おおかみ


ハ薬種(く春り)

は   くすり


屋(や)へ

  や へ


ゆき、聲 のよく

ゆき、こえのよく


なるく須里を

なるくすりを


のみ、ま多山羊の

のみ、またやぎの


家(いへ)耳い多里、おと

  いえ にいたり、おと


れへ盤゛、うちよ里誰(どな多)といふ、

れえば 、うちより  どなた という


を者゛さんだよ、こゝあ个てと

おば さんだよ、ここあけてと


(大意)

相手にせず、これは

しそこなったと

狼は薬屋へ行き

声のよくなる薬をのみ

再び山羊の家へ向かいました。

戸をたたくと、中からどなたですかと聞かれ、

おばさんだよ、ここを開けてと


(補足)

 仕掛けのある頁です。豆本では頁を折り込んで見開きになるものがありました。こちらは西洋風にいろいろな仕掛けがある仕掛け本の一番簡単なものです。

「と里あはね盤゛」、お手本のような平仮名「は」です。この頁では変体仮名「盤」「者」とカタカナ「ハ」があります。

「あ个てと」、まずは読めることがくずし字を学ぶ第一ですけど、この変体仮名「个」も番傘のようでなんとも。

 枠外に「羊の二」とあり丁合です。一枚の横長の紙に二面を摺り、山折りにしてひとつの丁合にします。前の頁にも「羊の一」とありました。


 

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