2023年1月14日土曜日

文福茶釜(小森宗次郎) その6

P4P5 国立国会図書館蔵

(読み)P4

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 つぎより


とふを

とうを


させける尓

させけるに


そのひやう

そのひょう


者゛ん大 いり

ば んおおいり


を奈し

をなし


おもいの

おもいの


ほ可奈

ほかな


るひやう

るひょう


者゛ん

ば ん


尓天◯

にて


◯かぞくさま可゛たへ

 かぞくさまが たへ


めされ古との

めされことの


本可

ほか


奈る

なる


おふ

おう


可袮

がね



もうけし由へ

もうけしゆえ


やしハ

やしは


お本い尓

おおいに


よろこび

よろこび


こ連も

これも


[三 へ]

 さんへ


(大意)

(芸)をさせてみると

それは評判となって大入りとなり

想像以上の人気でした。

華族様方もご覧になり、

格別の大金をもうけたので

香具師(やし)は大変に喜び、

これも


(補足)

「おもいのほ可奈る」、「古との本可なる」、同じような表現です。「本可」が「をの」にみえてしまいます。

「こ連も」、「連」と「も」のあいだにもう一文字あるように見えますが、つながっているだけのようです。

 たぬきが主役のはずですが、絵師はどうも毛皮ものの生き物が苦手のようで、輪郭(これもいい加減)だけで、赤くはみ出すように摺っているだけです。しかし茶釜は丁寧に描いています。

 たぬきは下手くそでも、それ以外はやはり絵師、上手です。壁紙などもテリがはいっているような感じにして凝っています。

 

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