2025年9月21日日曜日

江漢西遊日記五 その57

P64 東京国立博物館蔵

(読み)

し四国 能藝 者 参り 見物(ケンフツ)尓行ク満里ノ曲  力  持

ししこくのげいしゃまいり   けんぶつ にゆくまりのきょくちからもち


皆 感 し个る

みなかんじける


十  五日 天 氣新 四郎 頼  能牡丹 能画出来キ

じゅうごにちてんきしんしろうたのみのぼたんのえでき


上 ル夜 尓入 三 人 して狂  言 などし大 笑  春る

あがるよるにいりさんにんしてきょうげんなどしおおわらいする


十  六 日 天 氣朝 起キると鯨  来  ト知 せる吾 等

じゅうろくにちてんきあさおきるとくじらきたりとしらせるわれら


此 間  尓こ里鯨  舟 ニハ能るましきと思 ヒし尓サア\/

このあいだにこりくじらふねにはのるまじきとおもいしにさあさあ


とセリ立テ个連ハ飯 尓水 をかけ一 椀 喰ヒ夫 な

とせりたてければめしにみずをかけひとわんくいそれな


里尓舟 ニ乗ル能る可゛早 ヒ歟艪(ロ)を押 可゛疾(ハヤヒ)可誠

りにふねにのるのるが はやいか  ろ をおすが   はやい かまこと


尓矢能如 しあな多こな多と漕(コク)鯨  何ツ方 へ

にやのごとしあなたこなたと  こぐ くじらいずかたへ


可行 て見へ春゛故 ニ舟 を生 月 ニ返 さんと春る時 ニ

かゆきてみえず ゆえにふねをいきつきにかえさんとするときに

(大意)

(補足)

「十五日」、天明8年12月15日。1789年1月10日。

「あなたこなた」、『あなたこなた【彼方此方】あちらこちら。あちこち。「三々五々―に群処せり」〈浮城物語•竜渓〉』

 前回鯨舟にのったとき、やはり江漢さんたちは船酔いになって、「吾等此間尓こ里鯨舟ニハ能るましき」とおもっていたのですけど、「サア\/とセリ立テ」られて、ふたたび鯨舟にのり漁を見物することになってしまいました。

 

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