P38 東京国立博物館蔵
(読み)
魚 の店 商 人 方 へ参 ル酒 を出し鴨 の玉 子
うおのたなしょうにんかたへまいるさけをだしかものたまご
とぢ鯛 能あん可け。者んぺんを出し興 應
とじたいのあんかけ はんぺんをだしきょうおう
春此 地能鴨 一 向 油 なく味 なし鯛 ハ至 て味
すこのちのかもいっこうあぶらなくあじなしたいはいたってあじ
よし油 多 くして多 く不喰
よしあぶらおおくしておおくくわず
三 日今 日毛風 雨霰 鯨 を取ル嶋 生 月 ヘ渡海
みっかきょうもふううあられくじらをとるしまいきつきへとかい
三 里あり兎角 尓渡 ル日なし此 日画を描
さんりありとかくにわたるひなしこのひえをかき
暮 春爰 ニてハ福 禄 寿 能事 を歳徳(トク)神(シン)
くらすここにてはふくろくじゅのことをとし とく じん
と云 ヒキカヱルをヲンゼウコと云 反皮(マムシ)を平 口 と云
というひきがえるをおんぜうこという まむし をひらくちという
四 日天 氣風 少 しアリ山 形 新 四良 ハ六 良 と親
よっかてんきかぜすこしありやまがたしんしろうはろくろうとしん
類 の者 ニて住 居 ハ生月(イキツキ)嶋 なり此 者 と生 月 嶋
るいのものにてじゅうきょは いきつき しまなりこのものといきつきしま
(大意)
略
(補足)
「興應」、饗応。
「鴨一向油なく味なし鯛ハ至て味よし油多くして多く不喰」、鴨は脂がのってなく、鯛は脂がのってとても旨いのだけど、脂が強すぎてたくさんは食べることができなかったよう。江戸では鮪のトロは猫またぎといわれて見向きもされませんでした。
「三日」、天明8年12月3日。西暦1788年12月29日。
「歳徳神」、『としとくじん【歳徳神】陰陽道(おんようどう)で,その年の福徳をつかさどる神。この神のいる方を明きのかた,または恵方(えほう)といい,万事に吉とする。恵方神。歳神。正月様』。方言ではなかったようです。
「平口」、西日本で使われる別名のようです。
0 件のコメント:
コメントを投稿