P42 東京国立博物館蔵
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(読み)
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孩(ヤゝ)子嶽(カタケ)
やや こ がたけ
西 ノ方 暮色 一 嶋 を見ルト云
にしのほうぼしょくひとつしまをみるという
日本 ノ地ニあら春゛
にほんのちにあらず
P43
上 坐ニ置きしきへ能外 ニて挨 拶 春先ツ酒 吸
かみざにおきしきへのそとにてあいさつすまずさけすい
物 を出して飯 を出春亦 之助 三 十 歳 の者
ものをだしてめしをだすまたのすけさんじっさいのもの
ニて能 男 婦り言 語此 国 能様 ニあら須゛至 て
にてよきおとこぶりげんごこのくにのようにあらず いたって
通 人 なり夫 より程 なく同 舟 し多る新 四郎
つうじんなりそれよりほどなくどうしゅうしたるしんしろう
参 ル是 ハ此 国 能物 云 ニて人 物 も此 地の者 と
まいるこれはこのくにのものいいにてじんぶつもこのちのものと
見ユ平 戸侯 より袋 戸能画四 枚 頂(テ ウ)戴(タイ)春
みゆひらどこうよりふくろどのえよんまい ちょう だい す
名 印 なし則 チ予(ハカ)描き多る画なり兼 て名
めいいんなしすなわち よが かきたるえなりかねてな
を知 け連ハいよ\/肝 を津婦し个連吾 等
をしりければいよいよきもをつぶしけれわれら
此 嶋 尓畄 里鯨 の實 談 をせんとて三 十
このしまにとどまりくじらのじつだんをせんとてさんじゅう
日 畄 ル鯨 ハ寒 中 ヨリ正 月 松 の内 を第 一 能
にちとどまるくじらはかんちゅうよりしょうがつまつのうちをだいいちの
(大意)
略
(補足)
「孩」、こんな漢字があるのかと探してみるとこのようにちゃんとフォントがありました。『ちのみご』と読むのだそうですけど、漢字変換で出てきませんでした。
「しきへ」、敷居。辞書にはありません。
「頂戴」、ここの「頂」のくずし字は江漢独自のもののよう。「戴」は文中では「載」。
「予」、フリガナに「ハカ」とありますが、「ヨカ」の間違い?
西遊旅譚4に生月島之圖があり、左に孩子嶽(ややこがたけ)があります。村が嶋をほとんどしめていて、とんでもなくにぎわっているのがわかります。
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