P65 東京国立博物館蔵
(読み)
沖 能方 ニて頻(シキリ)尓旗(ハタ)を以 テま袮く晩 七 時 なり
おきのほうにて しきり に はた をもってまねくばんななつどきなり
朝 ヨリ一 椀 の飯 能ミ尓して舟 尓もまれ舟 心 地
あさよりひとわんのめしのみにしてふねにもまれふなごこち
して氣分 あしゝ然 とも舟 ハ大 嶋 能方 へ\/ と
してきぶんあしししかれどもふねはおおしまのほうへほうへと
八 ちよう艪(ロ)尓して飛フ可゛如 くかけ声 ハアリヤ\/ \/
はっちょう ろ にしてとぶが ごとくかけごえはありゃありゃありゃ
走 ル氣分 以外 あしき故 尓魚予宗(モリ)尓付き多る綱(ツナ)
はしるきぶんいがいあしきゆえに もり につきたる つな
能内 尓伏春凡(ヲヨソ)四里程 も走 り多る時 首 を揚(アケ)
のうちにふす およそ しりほどもはしりたるときくびを あげ
見るに鯨 浪 の中 より踊(ヲトリ)出潮(ウシヲ)を吹キ亦 海
みるにくじらなみのなかより おどり で うしお をふきまたかい
底(テイ)へ入 其 廻(メクリ)尓舟 七 八 艘 取 巻く主 人 亦
てい へいるその めぐり にふねしちはっそうとりまくしゅじんまた
之助 鯨 取レ多り\/ と云 声 尓氣分。ハキと快 く
のすけくじらとれたりとれたりというこえにきぶんはきとこころよく
なり見 物 春るに予宗(モリ)尓柄あり綱(ツナ)ありて舟 ヲ
なりけんぶつするに もり にえあり つな ありてふねを
(大意)
略
(補足)
「晩七時」、夕方の16時頃ですけど、西暦ではすでに1月中旬ですので暗いはずです。
「氣分以外あしき」、以外は意外。
「魚予宗」、モリとフリガナがあります。「予宗」はこれで一文字ですけどフォントがありませんでした。
「鯨漁之圖」、
江漢さん一行はこのような舟で見物したことでしょうけど、これは恐ろしいでしょうね。
西遊旅譚四より「魚予宗之圖」。
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