2025年9月23日火曜日

江漢西遊日記五 その59

P66 東京国立博物館蔵

(読み)

鯨  之背(セ)尓乗(ノリ)付 ル可如 く鯨  を隔(ヘタ)つ事 僅  に二

くじらの  せ に  のり つけるがごとくくじらを  へだ つことわずかにに


間 三 个゛んなり此 鯨  十  七 本 予宗をうつ故 尓

けんさんげ んなりこのくじらじゅうななほんもりをうつゆえに


十  七 艘 舟 を引く次第 二鯨  よ王里て潮 を

じゅうななそうふねをひくしだいにくじらよわりてしおを


不吹 して氣能ミ吹く爰 尓於 て剱(ケン)と云 物

ふかずしてきのみふくここにおいて  けん というもの


を打ツ舟 三 艘 宛 鯨  能左右 ニアリて打ツ事

をうつふねさんそうずつくじらのさゆうにありてうつこと


数 度なり爰 ニ於 て鯨  大 ヒ尓よ王里多る時

すうどなりここにおいてくじらおおいによわりたるとき


一 人鯨  の頭(アタマ)潮 吹キ能処  へ登 り手に刃  と大 づ

ひとりくじらの  あたま しおふきのところへのぼりてにやいばとおおづ


なとを持チ爰 ニ穴 を穿(ウカチ)其 綱(ツナ)を通 春鯨

なとをもちここにあなを  うがち その  つな をとおすくじら


ハ其 間 タ幾 度となく海 尓入 多り亦 あら王れ

はそのあいだいくどとなくうみにいりたりまたあらわれ


多り春亦 一 人ハ海 へ飛 入リ大 綱 を持ツて鯨

たりすまたひとりはうみへとびいりおおづなをもってくじら

(大意)

(補足)

 鯨に舟をよせ、銛をうち、鯨の体に綱を取り付ける、まるで実況放送で、江漢さん実に細かくよく見ています。

 

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