P.14 8行目〜最後まで。「飯能市立博物館所蔵平沼家文書」
(読み)
全 く左様 之事 ニ御座候 哉、
まったくさようのことにござそうろうや
新 立 様 江参 り承 り候 ハヽ、御触 下
しんだてさまへまいりうけたまわりそうらわば、おふれか
の事 二付 如何 哉様 子相 訳 り可申 と
のことにつきいかがかようすあいわかりもうすべくと
存 、一 同 参 上 仕 候 、右 二付 候 而者、
ぞんじ、いちどうさんじょうつかまつりそうろう、みぎにつきそうらいては、
御当 村 杯 ハ夫 々 物 持 衆 多分
ごとうそんなどはそれぞれものもちしゅうたぶん
之事 ゆへ御差 支 二者有之 間敷( 候 得共)
のことゆへおさしつかえにはこれあるまじく(そうらえども)
(大意)
事情はまったくそのようなことだったのでございましょうか。
新立様へ行きお聞きしようと、お触れが出ている
状況のなかで、もっと詳しいことがわかるだろうと
おもい、全員で参上した次第でした。そこでのお話は、
こちらの村などでは村民に金持ちが多いでしょうから
特段もめごとがあることはないでしょうが、
(補足)
さらに詳しい情報を知ろうと、平沼源左衛門はじめ村役人たちは新立様のところへうかがいます。
「左様」と「新立様」の「様」が異なっています。
「御触」、「触」の「虫」のくずし字は初めてか。
「如何」、2文字セットです。
「様子」、この「様」は「左様」と同じです。
「可申」、「予」のように見えてしまいますが、2文字セットで覚えます。
「右二付候而者」、(そのようにしたところ)(新立様でお話を伺ったところ)ということだとおもいます。
「抔」(など)
「物持衆」、豊かな人たち、金持ちたち。「衆」の字は独特なので覚えやすい。
「多分」、「タ」の2つ目が下まで伸びてます、「分」の「八」の左側部分ではありません。
「分」のくずし字は「彡」+「、」です。
「間敷」(まじく)、2文字セットで頻出です。
「者」(は)、助詞の「は」。ここでは2度使われてます。