P.12 6〜10行目まで。「飯能市立博物館所蔵」「平沼家文書」
(読み)
打 古王し
うちこわし
名栗 江出向 と申 事 二付 、中 二者大 川 原
なぐりへでむきともうすことにつき、なかにはおおかわら
金 借 ヲ手始 とし天畑 の渡 戸吉 沢 文 蔵
かねかしをてはじめとしてはたのわたりどよしざわぶんぞう
古王し、其 手二而名栗 へ早 速 参り
こわし、そのてにてなぐりへさっそくまいり
風 聞 我 毛ヽ と申 聞
ふうぶんわれもわれもともうしきき
(大意)
打ち壊しの一揆勢は
名栗へ向かったと言う。その者たちの中には大川原
の金貸しを手始めに、畑の渡戸吉澤文蔵を
打ち壊し、そのまますぐに名栗へ押しかける
噂を誰もが聞いていた。
(補足)
ようやく6月15日昼頃の様子です。
まだまるまる2日もたってはいません。
「古王し」、変体仮名が2箇所でてきます。最初のは修飾的な「し」ですが、他方はふつうのものです。こういった違いは気分的なものなのかなんなのか不思議です。数行で気分が変わるなんてあるんだろうか。
助詞の「江」(へ、え)と「登」(と)のくずし字は明らかに異なるのですが、ときたま読み違えたりします。よくみるとにてなくもない。
「金借」、きれいに書かれているが、ウーン、初心者は悩みます。
「畑」、これはすぐに読めたが、もっとくずされると読みにくい字です。
「風聞」、もう何度も出てきているので読めます。「聞」のくずし字も特徴的ですが確実に読める側の字に入りました。
「我毛ヽ」(われもわれも)、「我」は形で覚えるしかありません。「毛」(も)は変体仮名ですが、初見では?でした。
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