2018年12月24日月曜日

変事出来二付心得覚記 その39




 P.12 6〜10行目まで。「飯能市立博物館所蔵」「平沼家文書」

(読み)
                                      打 古王し
             うちこわし

名栗 江出向 と申  事 二付 、中 二者大 川 原
なぐりへでむきともうすことにつき、なかにはおおかわら

金 借 ヲ手始  とし天畑 の渡  戸吉 沢 文 蔵
かねかしをてはじめとしてはたのわたりどよしざわぶんぞう

古王し、其 手二而名栗 へ早 速 参り 
こわし、そのてにてなぐりへさっそくまいり

風 聞 我 毛ヽ  と申  聞
ふうぶんわれもわれもともうしきき


(大意)
打ち壊しの一揆勢は
名栗へ向かったと言う。その者たちの中には大川原
の金貸しを手始めに、畑の渡戸吉澤文蔵を
打ち壊し、そのまますぐに名栗へ押しかける
噂を誰もが聞いていた。


(補足)
ようやく6月15日昼頃の様子です。
まだまるまる2日もたってはいません。

「古王し」、変体仮名が2箇所でてきます。最初のは修飾的な「し」ですが、他方はふつうのものです。こういった違いは気分的なものなのかなんなのか不思議です。数行で気分が変わるなんてあるんだろうか。

助詞の「江」(へ、え)と「登」(と)のくずし字は明らかに異なるのですが、ときたま読み違えたりします。よくみるとにてなくもない。

「金借」、きれいに書かれているが、ウーン、初心者は悩みます。
「畑」、これはすぐに読めたが、もっとくずされると読みにくい字です。

「風聞」、もう何度も出てきているので読めます。「聞」のくずし字も特徴的ですが確実に読める側の字に入りました。
「我毛ヽ」(われもわれも)、「我」は形で覚えるしかありません。「毛」(も)は変体仮名ですが、初見では?でした。


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