2018年12月14日金曜日

変事出来二付心得覚記 その29




 P.8 11行目〜最後まで。「飯能市立博物館所蔵」「平沼家文書」

(読み)
村 方 立 出 候   趣   風 聞 承    り候   間  、役 人
むらかたたちいでそうろうおもむきふうぶんうけたまわりそうろうあいだ、やくにん

共 儀可差留   と存  候  得共 、夜中 之
どもぎさしとめべくとぞんじそうらえども、よなかの

儀二付 、何 連二挙り居 候   哉不相分   (候   故 )
ぎにつき、いずれにゆりおりそうろうかあいわからず(そうろうゆへ)


(大意)
われわれの村でも農民たちが押しかけるのではないかという噂がありましたので
それならば村役人たちで押し止めようとしたのですが、夜中のこと
でしたので、農民たちがどこに集まっているのかがわからなかったため


(補足)
「候趣風聞承り候間」、もう何度もでてきた定型文です。字も読みやすくきれいです。

「候得共」、これも定型文。確実に読める部分を拠点に読み取りが怪しい部分をつぶしてゆきます。
「夜中」、「夜」の「亠」と「亻」が一つの部品になって偏に見えます。

「何連」、「連」(れ)変体仮名。
「挙」(ユリ)と振り仮名があります。辞書で調べてもその読みはありません。
意味はもちろん「挙兵」の「挙」です。

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