P.5 5〜8行目まで。「飯能市立博物館所蔵」「平沼家文書」
(読み)
(申候二付、)然 ら者゛不動 渕 迄 帰 る
しからば ふどうぶちまでかえる
遍゛し登引 戻 し候 、人 見市 五郎 方 へ
べ しとひきもどしそうろう、ひとみいちごろうかたへ
立 寄 様 子承 候 処 、御支配 岩 鼻
たちよりようすうけたまわりそうろうところ、ごしはいいわはな
御役 所 江忰 武 助 罷 出留守中 二而
おやくしょへせがれたけすけまかりでるすちゅうにて
(大意)
ならば、不動渕まで帰れ
と(米吉)を引き戻した。人見市五郎宅へ
よって様子を伺ったところ、せがれの武助が(この地域の管轄支配担当の)岩鼻役所へ
出向かせ留守中なので、
(補足)
米吉を引き止めている場所はこのあたりです。
不動渕の手前の人見市五郎宅で更に詳しい情報を集めようとしましたが、
武助が岩鼻役所へ変事を知らせにでかけてしまっているので詳しいことはわからないと
次の行へ続きます。
岩鼻役所とは「岩鼻陣屋(群馬県高崎市岩鼻町田陣)」
名栗村から高崎までの道中は、正丸峠を越えねばならなく険しい山道でした。
途中一泊して、二日間弱かかったのではないでしょうか。もしかしたら緊急時でしたので泊もせず籠に馬にと急いだかもしれません。
「然ら者゛」、「然」は頻出。この字は形からわかりやすい。
「帰る」、くずし字をよく見ると偏「リ」の一画目があるのがわかります。
「戻」、わかってしまうとあぁ「戻」と納得しますが、ぱっと見た目は「戸」が2つに分かれて見えて最初の部分が冠のようです。
「市五郎方へ」、「五」のくずし字はこんな感じ。「方」、わかりずらいです。
「立寄」、「立」という漢字は単純なのに、くずし字は迷う。
「支配」、頻出です。
「岩鼻」、「鼻」が二文字のようです。
「罷」、頻出ですでに何度かでてきてますが、この頁では筆使いがとてもよく判別できて、書き順もわかります。
「留守」、「留」は俗字の「畄」になってます。「守」、「寸」を部品に持つ漢字は、「ち」や
「る」のようにくずされることが多いように感じます。
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