2018年12月7日金曜日

変事出来二付心得覚記 その22




 P.6 5〜8行目まで。。「飯能市立博物館所蔵」「平沼家文書」

(読み)
耳 二も不聞入  拂 抜 奈可゛ら
みみにもききいらずふりぬきなが ら

申  様 、我 野谷ツ江も王かり候   而
もうすさま、あがのやつへもわかりそうろうて

餘程 参 り候   間  、我野 谷ツ下 り
よほどまいりそうろうあいだ、あがのやつくだり

候   者 差 留 な者゛我 等計 り
そうろうものさしとめなば われらばかり


(大意)
 耳も貸さず聞くこともなく、(われわれを)振り払いながら
言うには、吾野谷つからも行くものが
多数あることはわかっているので、吾野谷つ下るもの
たちを止めなければ、我らだけ


(補足)
 村役人たちが押し止めようとするも、殺気立った農民たちは
口々に叫びながら、彼らの脇を払い抜けるようにして通りすぎてゆきます。。

「王」(わ)変体仮名。

「耳」、くずされてません。そのあとの「聞」の中の「耳」は「夕」or「又」のようになってます。

「餘程」、「餘」が読めません。「程」は頻出なので、大丈夫。

「差留」、このくずし字がよく見る感じ。
「な者゛」、ここの「な」はひらがなの「な」でしょうか、変体仮名の「奈」でしょうか。3行前の行末「奈可゛ら」の「奈」とまったく筆跡が同じですが、筆の太さ加減が異なるだけで印象がだいぶ変わります。
「我等」、この「我」は、「我野谷ツ」のくずし字と異なってます。
「等」のくずし字はほとんど「ホ」。

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