2018年12月18日火曜日

変事出来二付心得覚記 その33




 P.10 最初〜7行目まで。「飯能市立博物館所蔵」「平沼家文書」

(読み)
夫 ゟ 下 名栗 村 名主 半 兵衛殿 江立 寄 、
それよりしもなぐりむらなぬしはんべえどのへたちより、

下 名栗 村 二而も小前 ハ不残  罷  出候   趣   、
しもなぐりむらにてもこまえはのこらずまかりでそうろうおもむき、

安 五郎 殿 是 ヲ申  候   、夫 ゟ 久林  万 次郎 殿 へ
やすごろうどのこれをもうしそうろう、それよりくばやしまんじろうどのへ

立 寄 候   処  、是 も村 方 不残  罷  出候   趣   、茶 内 江ハ
たちよりそうろうところ、これもむらかたのこらずまかりでそうろうおもむき、ちゃないへは

小殿 并  和助 殿 立 寄 、中 屋敷 角 太郎 殿 江
こどのならびわすけどのたちより、なかやしきかくたろうどのへ

立 寄 、夫 ゟ 新 寺 二而承     候   処  、新 寺 之
たちより、それよりにってらにてうけたまわりそうろうところ、にってらの

豆 腐屋亭 主 二出合 承     候  ハヽ、
とうふやていしゅにであいうけたまわりそうらわば、


(大意)
それから下名栗村名主半兵衛殿へ立ち寄り、
下名栗村でも小前は残らず出かけてしまっているようだと
安五郎殿が話していた。それから久林の万次郎殿へ
立ち寄ったところ、ここの村でも全員が出かけてしまっているようだった。茶内へは
小殿並びに和助殿が立ち寄り、中屋敷の角太郎殿へも立ち寄った。
それから新寺で聞いたところでは、新寺の豆腐屋亭主の話によると、


(補足)
さて、飯能村へ村役人たちが追いかける途中、名主半兵衛殿へ立ち寄ります。
また、村役人たちの慌ただしい行動の様子の記録が再開します。

「立寄」が何度も記されますが、4行目行頭の細い字が一番わかりやすいです。
「夫ゟ」は3回あらわれますが、これらはみな同じ筆跡。
「不残罷出候趣」、同じ表現が2回。「不」が異なってます。

「豆腐屋」、「腐」は「肉」が「广」の中ではなく、脚の部分にきてます。

名前も多数あらわれます。読めそうで読めません、難しいです。

しかし、何度も同じくずし字が現れますから、学習にはもってこいです。


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