P.5 1〜5行目まで。「飯能市立博物館所蔵」「平沼家文書」
(読み)
下直 無心 二罷 出候 趣 風 聞 二承 り、
ねさげむしんにまかりでそうろうおもむきふうぶんにうけたまわり、
定 而仲 間二可有之 、遣 ス事 ハ
さだめてなかまにこれありべく、つかわすことは
不相成 、外 之者 ハ如何 登相 尋 个れハ、
あいならず、ほかのものはいかがとあいたずねければ、
不動 渕 二少 々 人 罷 居 候 与之
ふどうぶちにしょうしょうひとまかりおりそうろうとの
申 候 二付
もうしそうろうにつき
(大意)
の値段を下げるよう要求しに行くらしい噂をきいた。(と答えた)
きっと仲間にもこのことを知らせようとしているので、そこへやることは
させてはならず、他の者はどんな様子なのだと尋ねたところ、
(米吉が)不動渕に数人集まっていると言うので、
(補足)
「下直」、2文字の間にレ点があります。下から返って読めという漢文の記号。「直」のくずし字は特徴的です。「ホ」+「一」。
「無心」、「心」のくずし字のほうがわかりにくいが、「心得」で覚えていればおもいだせます。
「罷」、上下2文字のようになってしまっているので?とおもいますが、次が「出候趣」と続くので「罷」と予想できます。この3行後に「罷居候」とあり、この「罷」はわかりやすい。2文字を比べてみると、上下の途中が切れているかいないかの差だけであとは全く同じでした。
「風聞」、きれいなわかりやすいくずし字です。
「承」、この前後の行に何度も出てくるので、覚えやすい。
「定而」、「定」の「宀」がハッキリです。
「仲間」、「間」が現在のものと全く同じ。
「遣ス」、きれいなくずし字です。辶の名残が見えます。
「如何」、2文字セットでおぼえます。「女」の最初の2画をきっかけにわたしは印象づけてます。
「尋」、このくずし字は、「ヨ」「エ」のあと、「ロ」と「寸」をまとめて「月」のくずし字(前行の「有」参照)のようにしています。
「个」(け)変体仮名。「个」は一本足のからかさ小僧。つぎのひらがな「れ」がこれ一文字だけだと?です。
「少々」、「少」のくずし字は書き順どおり。
「与」(と)変体仮名。
ろうそくとわらじを用意したとありましたから、少しの明かりはあったのでしょうが、暗がりでの尋問?は緊迫していたに違いありません。
この頁も前頁と同じように大変にきれいな文字で記されています。
左上の隅がまくれてしまってます。紙の薄さがわかります。
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