2018年11月28日水曜日

変事出来二付心得覚記 その13




 P.3 10〜12行目まで。「飯能市立博物館所蔵」「平沼家文書」

(読み)
今 者゛ん出向 から上ミゟ 参 る二付 支度 致
こんば んでむきからかみよりまいるにつきしたくいた

し天扣  居 様 二と申  継 候   、何 物 哉と尋
してひかえおりようにともうしつぎそうろう、なにものかとたずね

候  得者、正  覚 寺旦 中  不残  と申  事 二候   、
そうらえば、しょうかくじだんちゅうのこらずともうすことにそうろう、


(大意)
(万次郎は)今晩村奥より移動してやってくるから、支度して
待機しているようにと申し継がれた。(さらに村役人が)何者かと尋ね
たところ、(万次郎は)正覚寺の檀家全員であるとのことである。


(補足)
 「出向から」が?です。源左衛門達5人と其外で数キロを急ぎ足で濱井場まで万次郎のところへやってきました。「上ミゟ」とは、濱井場のさらに北、檜渕・不動渕・正覚寺方面よりでしょう。
万次郎から最新情報を聞き、今後の対応を相談しています。

 「上ミゟ」、「上」の字が上書きしたのか、字が重なっています。
「支度致」、「支」のくずし字の右側に点がある。くずし字の運筆リズミみたいなのか、多くのくずし字に元にはないこの点が付いている。「度」、頻出。「支」のくずし字が、「度」「致」の右側の部品とほぼ同じ。

「天」(て)、変体仮名。
「継ぐ」、旁の「∟」の部分は「∠」のようにみえるところ。
「哉」、頻出。教えてもらわないと読めません。頻出なのでここまで単純化されたみたい。

「不残と」(のこらずと)、頻出です。2文字セット。「と」ですが変体仮名の「与」でしょうか。
「申事ニ候」、「ニ」なのか「と」なのか?ですが、文章の流れから判断します。「事」は「る」のような形。


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