2018年11月17日土曜日

変事出来二付心得覚記 その2




 P.1 最初〜4行目まで。「飯能市立博物館所蔵」「平沼家文書」

(読み)
前 代 稀 成 変 事出  来 二付
ぜんだいまれなるへんじしゅったいにつき

手前 心  得覚  左二記 し置 候
てまえこころえおぼえさにしるしおきそうろう

一   頃 ハ慶 応 二寅 年 六 月 十  三 日 昼 七 ツ半 頃、
ひとつ ころはけいおうにとらどしろくがつじゅうさんにちひるななつはんころ

柏  屋代 八 殿 より申  遣  し使  もの古出啓 蔵 殿 申  口
かしわやだいはちどのよりもうしつかわしつかいものこでけいぞうどのもうしぐち

噺 し承     候   処
はなしうけたまわりそうろうところ


(大意)
世にもまれなるとんでもない事があったので
わたしの考えたことなどをこれから記録しておこうとおもう。

ひとつ 頃は慶応2年寅年6月13日昼七つ半頃、
柏屋代八殿よりの使者、古出啓蔵殿の話を聞いたところによると


(補足)
「稀」、くずし字の偏は「禾」には見えません。
「手前」、この「前」のくずし字と「前代」の「前」のくずし字がまるで別の字のようです。形で覚えるしかなさそうです。
「置」、頻出です。「四」or「皿」+「直」。「直」のくずし字をしっかり覚える。
「候」、最頻出。いくつもくずし字がある字。ここでは「小」みたい。「、」のときもある。

三行目、出だしの「頃」の偏「ヒ」が少しつぶれて判読しづらいが、行末の「頃」は読みやすい。
「昼」、くずし字では「旦」が下部に出てしまう。「門」の仲間の字も同じように内部におさまる部品が下部に出てしまいます。「聞」など。


「一」(ひとつ)、ひとつ書きといいます。「二」、「三」とは増えていきません。
昼七つ半頃、暮六つの一刻前が七ツですから夕方の4時で、さらに半刻すぎるので夕方4時半頃。
ここでは昼としてますが、同じ村の名主町田龍之介が父親に宛てた書簡では「夕刻」と書かれています。
「殿」、頻出。名前の一番下に書かれるのが普通ですから、なんだこれはとおもったら大抵は「殿」です。少々乱暴ですが。
「ゟ」(より)、わたしのPCに機種依存字ですがフォントがありました。
合字といいます、「ゟ」=「よ」+「り」。
「申遣し」、「申」の縦棒が左に曲がっています。書き手の癖が出やすい字ですが、平沼源左衛門っさんはこんな形。「遣」、下の横棒「一」が「辶」です。
「古出」の「出」がわかりにくいですが、くずし字はこんな形、「出来」の「出」と同じ形になってます。
「啓蔵」、「啓」は難しい。「蔵」は典型的なくずし字。形で覚える。
人の名前は、難しいです。この後たくさん出てきます。
4行目行末、「申口」、流れでなんとか書き切ろうと小さくなってしまった感じ。
「噺」=「口」+「新」、なんとなくわかる。
「承」、「置」のくずし字ににているが下部に「一」がない。頻出。
「候」、2行目の「小」と全く同じです。
「処」、頻出。古文書では句読点はありませんが、この「処」ではたいていきれます。

 4行程度を投稿してみましたが、独学初心者のわたしにはチト荷が重たかったかも知れません。
しかし、しばらくこの調子で続けてみることにします。



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