2018年11月10日土曜日

紙漉重宝記 その92




P.36 俵作くり能圖 下段


(読み)
大 坂 へいて見い 銀 をふ可゛うで
おおさかへいてみい ぎんをふが うで

クハンゝ  と可けてをる。
くはんくはんとかけてをる。

をらハいつさい 可゛てん可゛行 ぬ
をらはいつさい が てんが いかぬ

ど可゛あ こ可゛あ
どが あ こが あ

春流可 志らぬ
するか しらぬ


(大意)
大坂に行ってみろ 銀をかごに入れて
ガンガン目方を量っているぞ。
おれには一切ガテンがゆかない。
どうしたら、こんなことになるのかわからん。


(補足)
 この箇所の文意がいまひとつつかみきれません。
「ふがう」。畚(ふご)。もっこ。竹や藁で編んだかご。
「クハンクハン」は読みにすると「カンカン」ですが、「カンカンと掛けてをる」では何のことかわかりません。大都市大坂では銀を量るのも小皿なんかでまどろっこしいことはせずに、大きなザルでガンガン量っているぞ、ということでしょうか。

 自分たちのしている作業とそこから得るわずかの収入のことをおもうと、そんな大坂商人の派手な金回り具合なんて、これっぽっちも理解が出来ないし、一体全体どうしたらこんなことになっているのか理解できない。ここの部分はどうも???ばかりです。

 文章はともかく、俵作りの二人はせっせとハチマキを巻き、もろ肌脱いではりきっている様子です。賃金には不満がありそうですが、体の状況は至って健康なようです。


Reports on the manufacture of paper in Japan.
20_Mode of making paper cloth warranted to washi ("shifu")





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