2018年11月19日月曜日

変事出来二付心得覚記 その4




 P.1 9〜10行目まで。「飯能市立博物館所蔵」「平沼家文書」

(読み)
猶 又 下拙 ゟ も太次郎 殿 江及沙汰   、同 道 二而
なおまたげせつよりもたじろうどのへさたにおよび、どうどうにて

新 立 名主 滝 之助 殿 宅 江参 り承     候   処、  同 様
にったちなぬしたきのすけどのたくへまいりうけたまわりそうろうところ、どうよう


(大意)
さらにまた、わたしからも太次郎殿へ指示をし、一緒に
新立名主の滝之助殿宅へ行き話を聴いたが、同様の


(補足)
 風雲急を告げる知らせが入り、慌ただしさが文面からただ事ではない様子が伝わります。

「猶又」、段落を切り替えるときの常套句です。「犭」がなんか腰砕けになってますが、特徴的な形です。「酋」はなんかグシャグシャで?。
「下拙」、男子が自分のことをへりくだって言う言葉。「拙」、旁はちゃんと「出」のくずし字になっている。
「太次郎」、「太」が難しい。「郎」のくずし字はここでは「戸」+「巾」みたいな形。そしてこれが「次」に、下からくい込んでいる。
「沙汰」、「沙」の旁「少」のくずし字は最後の「ノ」が左斜め下側に流れない。「汰」の旁「太」は「太次郎」の「太」と同じ。「沙」も「汰」も両方共に「氵」なのにくずし字の形が異なっている。
「同道」、「同」の中「一」と「口」は右下の黒い塊部分。「道」、頻出で元の字からどうしてこんなくずし字になったのだろうかと何度見てもおもう。しかし一度覚えてしまえば次からはまず間違えないくらい特徴的です。最後の小さい横棒が「辶」(のはず)。
「ニ而」(にて)、頻出です。「而」(て)。

「新立」、「新」の偏「斤」が「ノ」ふたつみたいな形。
「名主」、「主」のくずし字が「王」の変体仮名に似ています。
「承候処」、3文字まとめて覚えておくと便利。
「同様」、「同」は先程と同じです。「様」は頻出です。しっかり覚える。「様」の旧字体は「樣」。
偏の部分が上下になってますが、それを左右にした感じになります。「衣」のような形?。

「滝之助」、新立古組名主町田滝之助、当時は33才。


 補足が長くなってしまうので、今回は2行としました。

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