2018年11月23日金曜日

変事出来二付心得覚記 その8




 P.2 7〜9行目まで。「飯能市立博物館所蔵」「平沼家文書」

(読み)
相 談 極  り、左二候   而ハ下 名栗 江も此 段 ヲ
そうだんきわまり、さにそうらいてはしもなぐりへもこのだんを

通 達 二およひ、村 方 二而差 留 候  得共 、萬 一 隠 連
つうたつにおよび、むらかたにてさしとめそうらえども、まんいちかくれ

出 抜 二其 御 地江参  候  ハヽ御差 留 置 可被下   候
だしぬきにそのおんちへまいりそうらわばおさしとめおきくださるべくそうろう


(大意)
相談がまとまり、今後の対処を下名栗へも連絡した。村で押し止めることをするとしても、
万一隠れて抜け出し御地へ向かうことがあれば、押し留めてくださるようにした。


(補足)
 話の流れは理解できるのですが、文書を正確に現代文にすることが難しいです。
初心者の悲しいところであります。
行頭の文字は大きく、次第に小さくなりながら行末では小さくなる傾向にあります。

「相談」、この「相」がよく見るくずし字。
「候而ハ」、3文字セット。(そうらいては)としましたが(そうろうては)では間違いなのかどうかわかりません。
下名栗、地名。
「此段」、まとめて覚えます。「段」、遍は縦棒2本、旁は「頁」と同じような感じのくずし字。

「およひ」、ひらがなですが、変体仮名もいろいろ出てくるので、迷うこともあります。
「差留」、この行のすぐ左隣りも出てきます。何度も出てくると覚えやすい。
「候得共」(そうらえども)、最頻出。3文字セットで覚える。
「萬一」、「萬」頻出です。
「隠連」(かくれ)、「隠」が「阝」「ノ」「ツ」「ヨ」「心」だが、ジッと見ても、うーん難しい。「連」(れ)変体仮名。

「出抜」、「出」はわかりますが「抜」の「扌」がくずすとどうして「禾」なのでしょう。と文句を言っても始まりません。諦めて形で覚える。
「其」、頻出。短く「一」、「を」をくずした感じのように書く。
「候ハゝ」(そうらわば)、3文字セット。
「置」、既出。
「可被下候」、頻繁に使われる表現なので、著しく簡略化される4文字です。このまま形で覚えます。

「御地」となっているのは、下名栗や吾野周辺は幕府の天領があちこちにあったためでしょうか。



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