P.35 半紙仕立類図 上段
(読み)
半 紙仕立 類図
はんしし多つるづ
さんよ 紙 可い可゛ 可う可も
さんよ かみかいが かうかも
志れぬ。さうし可ミでまど越者れ
しれぬ。さうしかみであどをはれ
(大意)
さんよ、紙買いが買いに来るかもしれない。
草紙紙を貼って、障子の破れをふさいでおけ。
(補足)
半紙仕立類図、「したてる」ではなく「したつる」でした。
「紙可い可゛可う可も」、最後の「可も」がわかりにくいです。
「さんよ」を日本農書全集53では「子どもの名前」としていますが、どうも不自然におもわれます。
「浜田の方言集」にはのってませんでしたが、子どもへの呼びかけ「おい」「なぁ」、または独り言「そうだ」などのような気がします。
子どもに指示しながら紙を束ねている爺様が、
今までの人物のなかでも、特に念入りに描かれています。
顔の皺・目・鼻、簡素ではありますが手元に集中しているのがわかり、
口元は開いていて、子どもに話しかけている様が表されています。
半纏の背には大きな継ぎ接ぎが4箇所あります。
室内の作業着でしょうか。
左側の膝下には、煙管一式でしょうか、仕事の合間の一服が目に浮かびます。
子どもは手慣れた様子で作業を進めています。
数束ごとに藁を付箋代わりに挟んでいるように見えます。
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