2018年11月3日土曜日

紙漉重宝記 その85




P.33 中段


(読み)
どひやうしもの可゛


可ミをちらし


おらに奈んぎをさ春流の



(大意)
「とんでもない事をする風が紙をちらして、オレに難儀をさせやがる」


(補足)
 ネットの「浜田の方言集」の中に、「どひょうしもの」⇒とんでもない事する(重宝記) とあります。この紙漉重宝記はすでにいくつか見てきましたが方言もそのまま記して郷土色をだしています。

 絵師は山々の木々を描きわけています。
手前下部は、松葉のような木、筆をのせるように描いているのは広葉樹かもしれません。
中段では、桧や杉など針葉樹のように先が尖っている樹木と枝や葉を横に平たく描いているものもあります。奥の山々は細かく筆をいれてはいませんが、近景から遠景へと樹木の描き方を変化させています。

 それにしても、こんな険しい崖を紙漉き父さんは裸足で、本当に上り下りしたのでしょうか、そんなことできるわけがありません。

 見開きの頁にはなっていないのですが、前頁と絵がつながっています。
こんな険しい山里で紙漉きを行っている村もあったのでしょう。



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