P.2 4〜6行目まで。「飯能市立博物館所蔵」「平沼家文書」
(読み)
越 ニハ穴 沢 計 り可と承 候 処 、我 野へ盤
こすにはあなざわばかりかとうけたまわりそうろうところ、あがのへは
新 田山 越 候 得者゛我 野谷ツニ御座候 、夫 二而ハ
にったやまごえそうらへば あがのやつにござそうろう、それにては
難計 、清 揃 之場所 参 り差 留 遍くと
はかりがたく、せいぞろいのばしょまいりさしとめべくと
(大意)
越すには穴沢からだけと聞いていたが、吾野へは
新田を山越えすれば吾野の谷戸へ出られる。ですから
どちらの道を選ぶかはわからないので、(百姓が)勢揃いしている場所へ行き押し止めるべくと
(補足)
「越ニハ」、「走」の最後の右に伸びる部分が短く右上につながってます。
「穴沢」、地名。「穴」が読めません。
「斗り可と」、「計」⇒「斗」。「可」、変体仮名で「う」のようにみえます。「う」のようにみえたら大抵は「か」と、わたしは判断してます。
「承候処」、既出の3文字セットです。
「盤」(は)、変体仮名。
「新田山越」、ほぼ楷書です。新田は地名
「候得者゛」(そうらえば)、「候」「得」は既出。「者」(は)、変体仮名で濁点「゛」がついて(ば)。〜したところ、〜したら。
「我野」、ここの(あがの)が一番読みやすい。「我」、点を上部に打って、その下に「了」、それをまたいで「ハ」みたいに書く。「野」、「み」みたいに書き、その下へコチョコチョっていう感じ。
「谷」、簡単なんだけど、もう少し崩されると?になってしまう。
「御座候」、既出3文字セット。
「難斗」、「難」、結構よく出てきます。形でしっかり覚える。「隹」はこんなふうに崩す。
「清揃」、既出。
「場所」、これは読みやすい方です。
「差留」、「差」の下部の「ノ」をやたらと大きく長く書くのがくずしの特徴。
「留」、上部が「ク」、下部は四角を丸っこく書いて、中は「メ」。
「遍」(へ)、変体仮名。「戸」の「ノ」の字をしっかり書き、「冊」は適当に、
最後に下部に「辶」の「」横棒を書く。
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