2025年6月11日水曜日

江漢西遊日記四 その24

P29 東京国立博物館蔵

(読み)

漸  ク太宰 府ニ至 ル大 鳥 居アリ池(イケ)尓三ツ橋

ようやくだざいふにいたるおおとりいあり  いけ にみつはし


掛 ル左右 ハそり橋 中 ハそら春゛池 の邊(ヘン)大 楠

かかるさゆうはそりはしなかはそらず いけの  へん おおぐす


アリ山 門 アリ本 社 左右 回 廊(ロウ)飛 梅 と云 ハ

ありさんもんありほんしゃさゆうかい  ろう とびうめというは


本 社 ノ脇 尓アリ誠  尓王びさび多る処  なり日も

ほんしゃのわきにありまことにわびさびたるところなりひも


西 山 ニ入り个連ハ鳥 居能前 なる大 野屋と云

にしやまにいりければとりいのまえなるおおのやという


家 ニ泊 ル毎 年 八 月 廿   一 日 より廿   六 日 まで

いえにとまるまいとしはちがつにじゅういちにちよりにじゅうろくにちまで


祭 禮 アリ近 郷 より参 詣 多 し此 所  ハ

さいれいありきんごうよりさんけいおおしこのところは


外 \/よりハ至  て寒 し十 日以前 より霜 降

ほかほかよりはいたってさむしとおかいぜんよりしもふ


里申  とぞ

りもうすとぞ


六 日寒 し風 アリ朝 画を認  メ神 主 ニ贈 ル

むいかさむしかぜありあさえをしたためかんぬしにおくる

(大意)

(補足)

 江漢さんが参詣した当時とほとんど太宰府天満宮は変わってないとおもいます。この画像の大楠は「池の邊(ヘン)」のものではなりませんが、樹齢1500年とあって、まさに御神木です。

「大野屋」、現在は豆菓子店[まめや]として営業しているようです。

「外\/」、『ほかほか 【外外】〔「ほか」を重ねた語〕

① そこ以外の別々の場所。よそ。ほか。「はやうありし者どもの―なりつる,田舎だちたる所に住む者どもなど」〈枕草子•25〉

② 別々にわかれているさま。「月ごろ,かく―にて」〈源氏物語•若菜下〉』

「六日」、天明8年10月6日。西暦1788年11月3日。

 「朝画を認メ」たのがどんな画だったのか興味がわきます。天満宮境内の画のような気がします。

 

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