P22 東京国立博物館蔵
(読み)
着(キ)て波 を正(セ ウ)写(ウツ)し尓せんとて波 能飛び
き てなみを しょう うつ しにせんとてなみのとび
あかるを能ミ見しなり是 ハ酒 能酔(ヨイ)爰 ニ
あがるをのみみしなりこれはさけの よい ここに
て發 し少 シも酔(ヨハ)春爰 尓於 て酒 ハ氣
てはっしすこしも よは ずここにおいてさけはき
を甚 タ太 クして呑ムまじき物 なりと知り
をはなはだふとくしてのむましきものなりとしり
个り夫 故 漸 ク一 里半 内裏(ダイリ)ヘ半 時 のうち
けりそれゆえようやくいちりはん だいり へはんときのうち
尓付 けり舩 中 働 ク者 僅(ワツカ)尓三 人 帆(ホ)を下(ヲロ)セ
につきけりせんちゅうはたらくもの わずか にさんにん ほ を おろ せ
\/ と呼ヒ个連と帆尓風 をふくミ一 向 下(ヲロ)春
おろせとよびけれどほにかぜをふくみいっこう おろ す
事 ならぬも能なり舩 尓打 込 アカをかえるも
ことならぬものなりふねにうちこみあかをかえるも
此 三 人 能ミ乗 多る者 ハ死 人の如 シ誠 尓あ
このさんにんのみのりたるものはしにんのごとしまことにあ
ヤうき事 尓逢(ア)ヒ个連夫 より岸(キシ)ニ上 リ皆 \/
やうきことに あ いけれそれより きし にあがりみなみな
(大意)
略
(補足)
「正写」、フリガナが左右にあります。
「内裏(ダイリ)」、大里村です。
「アカ」、『ふなあか【船淦】船の底にたまった水。あか。船湯』
浪の荒れるさまを描こうと波しぶきをあびながら、筆や画帳はビッショリにならなかったのかとおもったりもします。北斎は当時27歳、まだ「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」を描いていません。
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