P27 東京国立博物館蔵
(読み)
くさし此 石 炭 ハ一ツぺん焼きて炭 ニし多る者
くさしこのせきたんはいっぺんやきてすみにしたるもの
なり不焼(ヤカ)者 ハほ能ふ立チて木を焚ク如 し
なりやかず ものはほのおたちてきをたくごとし
此 処 ニて能 \/聞く尓之(コレ)ハ山 能根より出ルなり
このところにてよくよくきくに これ はやまのねよりでるなり
夫 石 炭 を掘ルニハ山 能上 より谷 底 へフゴ
それせきたんをほるにはやまのうえよりたにぞこへふご
とて藤 桂 ニて造 り多る者 をおろし車 ニて上(ウヱ)
とてふじかつらにてつくりたるものをおろしくるまにて うえ
尓引 上 ルとぞ皆 木能石 と化し硫黄 能氣
にひきあげるとぞみなきのいしとかしいおうのき
を得て燃 ルなりさて爰 より太宰府(ダサイフ)へ行
をえてもえるなりさてここより だざいふ へゆく
路 アリ亦 豊 後ニ中 津ノ近 邊 ニ切 貫 と云
みちありまたぶんごになかつのきんぺんにきりぬきという
処 アリ之(コレ)ハ山 能根ヲ洞ラ穴 能如 く往 来 ニ切リ
ところあり これ はやまのねをほらあなのごとくおうらいにきり
ぬき内 暗 キ故 亦窻(マト)を切 明ケ穴 能中 ハ
ぬきうちくらきゆえまた まど をきりあけあなのなかは
(大意)
略
(補足)
「フゴ」、負籠は当て字かもしれませんが辞書には『ふご 12【畚】
① 物を運搬するために用いる竹や藁(わら)で編んだかご。もっこ。
② びく。釣った魚を入れるかご。』とあります。現在でも使われています。
「藤桂」、桂は葛。
江漢さん、石炭について詳しく記しています。地元の人たちにあれこれたくさん質問したのでしょう。やはり好奇心知識欲の強い方なのだなとおもいます。
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