2025年6月9日月曜日

江漢西遊日記四 その22

P27 東京国立博物館蔵

(読み)

くさし此 石 炭 ハ一ツぺん焼きて炭 ニし多る者

くさしこのせきたんはいっぺんやきてすみにしたるもの


なり不焼(ヤカ)者 ハほ能ふ立チて木を焚ク如 し

なりやかず   ものはほのおたちてきをたくごとし 


此 処  ニて能 \/聞く尓之(コレ)ハ山 能根より出ルなり

このところにてよくよくきくに  これ はやまのねよりでるなり


夫 石 炭 を掘ルニハ山 能上 より谷 底 へフゴ

それせきたんをほるにはやまのうえよりたにぞこへふご


とて藤 桂  ニて造 り多る者 をおろし車  ニて上(ウヱ)

とてふじかつらにてつくりたるものをおろしくるまにて  うえ


尓引 上 ルとぞ皆 木能石 と化し硫黄 能氣

にひきあげるとぞみなきのいしとかしいおうのき


を得て燃 ルなりさて爰 より太宰府(ダサイフ)へ行

をえてもえるなりさてここより    だざいふ へゆく


路 アリ亦 豊 後ニ中 津ノ近 邊 ニ切 貫 と云

みちありまたぶんごになかつのきんぺんにきりぬきという


処  アリ之(コレ)ハ山 能根ヲ洞ラ穴 能如 く往 来 ニ切リ

ところあり  これ はやまのねをほらあなのごとくおうらいにきり


ぬき内 暗 キ故 亦窻(マト)を切 明ケ穴 能中 ハ

ぬきうちくらきゆえまた まど をきりあけあなのなかは

(大意)

(補足)

「フゴ」、負籠は当て字かもしれませんが辞書には『ふご 12【畚】

① 物を運搬するために用いる竹や藁(わら)で編んだかご。もっこ。

② びく。釣った魚を入れるかご。』とあります。現在でも使われています。

「藤桂」、桂は葛。

 江漢さん、石炭について詳しく記しています。地元の人たちにあれこれたくさん質問したのでしょう。やはり好奇心知識欲の強い方なのだなとおもいます。

 

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