2022年8月10日水曜日

花咲ぢヾい(木村文三郎) その4

P2前半 国立国会図書館蔵

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P3

(読み)

▲とゞまりてちゞ

 とどまりてじじ


い尓む可ひ志起り

いにむかいしきり


尓奈くさ満本れ

になくさまほれ


といふま年を春

というまねをす


連バぢゞ者゛ゝハく王

ればじじば ばはくわ


をもちき多りその

をもちきたりその


ところをう可゛ちミ

ところをうが ちみ


る尓きん\゛/ハいふ

るにきんぎ んはいう


尓およバ春゛いろ\/

におよばず いろいろ


(大意)

▲立ち止まり、じじい

に向かってしきりに吠えて

ここを掘れという真似をすれば

じじばばは鍬(くわ)

を持ってきて、その

ところを掘りはじめました。

すると金銀はいう

におよばず、いろいろ


(補足)

 驚いた両手のひらが印象的です。背景の野原の稜線に茅葺屋根を少し見せるのが、このような場面ではおきまりのようです。

「ぢゞ者゛ゝハく王を」、「く」の上が「宀」に見えますが「ヽ」に「ハ」。

 

2022年8月9日火曜日

花咲ぢヾい(木村文三郎) その3

P1 国立国会図書館蔵

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(読み)

む可し\/ せう ぢ起奈るぢいさん者゛アさん

むかしむかししょうじきなるじいさんば あさん


ありてこいぬを可ひお起可あい可゛ること

ありてこいぬをかいおきかあいが ること


このごとく尓い多わり个れバいぬも

このごとくにいたわりければいぬも


し多゛い尓大 きく奈りそのおんを王春

しだ いにおおきくなりそのおんをわす


連春゛ぢゝいの春そをひ起つ連由起▲

れず じじいのすそをひきつれゆき


(大意)

むかしむかし正直なじいさんとばあさん

がいました。子犬を飼っていましたが絵のように

とてもかわいがっていました。犬は

しだいに大きく育ち、その恩を忘れず

じじいの裾を引いて、連れて行くと


(補足)

「可あい可゛ることこのごとく尓」、「こと」と「ごと」は合字。「こ」と「と」を一文字にした文字。

「い多わり个れバ」、平仮名「わ」としましたが、「バ」とにていますので「ハ」かもしれません。。

「王春連春゛」、変体仮名ずくし。

 じいさんが左手にもつ皿の上に何があるのかと拡大してみれば尾頭付きの魚でありました。じいさん立派な身なりであります。垣根は藁で組んだものでこれまたすばらしい。

 絵師はやはり動物は苦手と見えます。犬なのか猫なのかどちらにもみえますし、頭の角度がとっても変。尻尾もないし。

 

2022年8月8日月曜日

花咲ぢヾい(木村文三郎) その2

見返し 国立国会図書館蔵

(読み)

なし

(大意)

なし

(補足)

 あきらかに籠の細い網目を意識して銅版画の刻みを目立たせているようにおもわれます。それにカゴの中は爺さんが撒き散らす灰でしょう。犬も毛並みが描かれているのですがいまひとつで、かわいらしいけどなんか変、絵師は苦手そうです。

 豆本の見返しにはそのまま切り取って飾りたくなるものが多いですけど、ウ~ンこれは遠慮します。

 

2022年8月7日日曜日

花咲ぢヾい(木村文三郎) その1

表紙 国立国会図書館蔵

(読み)

花 咲 ぢゞい

者奈さ可


(大意)

はなさかじじい

(補足)

 隙間も余白も許すまじという硬い決心で描かれた感じの表紙です。

 空に向かってまき散らした灰は二人の淑女の着物に桜のとなって咲いたようであります。女ふたりの目もとはかすかに薄紅があるようなないような、きれいな桜色。

 生え際の髪の毛の繊細さ、彫師の腕でしょうけどお見事です。しかしこの前回からつづくシリーズは木版ではなく銅版なので鉄筆のようなもので削ったり刻んだりの工程です。よい表紙であります。


 

2022年8月6日土曜日

あさ可゛本物語(木村文三郎) その17

裏表紙 国立国会図書館蔵

(読み)

なし

(大意)

なし

(補足)

 今回のこの豆本、いままでの豆本とはまったくことなるものでした。顔の描き方が今までのものとはあまりにもかけはなれているので驚くとともに現代につながるものを感じました。

裏表紙の意匠は線香花火にも雪の結晶にもなでしこにもみえますけど、やはり朝顔を図案化したものでしょうか。P8の宮城阿曽二郎の袴の柄と同じです。

 とても印象に残る豆本でありました。

 

2022年8月5日金曜日

あさ可゛本物語(木村文三郎) その16

奥付 国立国会図書館蔵

(読み)

明治十五年七月十一日御届

東京日本橋区馬喰町二丁目一番地 定價三銭

編輯兼出版人 木村文三郎

(大意)

略

(補足)

鼇頭 明治文証大全 改正

「ごうとう」と読みます。意味は「書物の上欄。また,そこに書き入れた注。「―に記す」」とありました。字がつぶれてよくわかりませんので、上の部品は「土」+「方」+「攵」で、下は「黽」。

もちろん、わたしは読めませんでした。

ネットで調べると、「メイジ ブンショウ タイゼン : ベットウ カイセイ」ともあります。「文証」は「ブンショウ」「モンショウ」どちらでもよさそうです。というかわかりません。辞書で調べてものっていません。

 内容は宣伝文にあるように(6割くらいしか読めません)著名人などの記したものを集めた本のようです。デジタルアーカイブで実物をみると紋章やら色紙に揮毫したものやらが羅列されています。

こういった本の要望があったから出版したのか、それとも出版して啓発したのか、なんかよくわからない書籍であります。

 

2022年8月4日木曜日

あさ可゛本物語(木村文三郎) その15

P12 国立国会図書館蔵

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(読み)

□可けあひ

 かけあい


あら多めて

あらためて


あそ二郎

あそじろう


ミ由起と

みゆきと


ふうふ尓

ふうふに


奈り

なり


个り

けり


めで

めで


多し

たし


\/  \/

めでたしめでたし


\/

めでたし


(大意)

話し合って

あらためて

阿曽二郎は

深雪と

夫婦に

なりました。

めでたし

めでたしめでたし

めでたし


(補足)

 深雪のやや切れ上がった細い目のやさいいこと、鼻梁はまっすぐで小さめの口、きれいだなぁ。

深雪は阿曽二郎をみつめますが、阿曽二郎はそれをはすにうけます。体全体からでる幸せ感を扇であおいぎこちらに吹いてきそう。

 床の間の掛け軸が読めません。