2022年8月9日火曜日

花咲ぢヾい(木村文三郎) その3

P1 国立国会図書館蔵

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(読み)

む可し\/ せう ぢ起奈るぢいさん者゛アさん

むかしむかししょうじきなるじいさんば あさん


ありてこいぬを可ひお起可あい可゛ること

ありてこいぬをかいおきかあいが ること


このごとく尓い多わり个れバいぬも

このごとくにいたわりければいぬも


し多゛い尓大 きく奈りそのおんを王春

しだ いにおおきくなりそのおんをわす


連春゛ぢゝいの春そをひ起つ連由起▲

れず じじいのすそをひきつれゆき


(大意)

むかしむかし正直なじいさんとばあさん

がいました。子犬を飼っていましたが絵のように

とてもかわいがっていました。犬は

しだいに大きく育ち、その恩を忘れず

じじいの裾を引いて、連れて行くと


(補足)

「可あい可゛ることこのごとく尓」、「こと」と「ごと」は合字。「こ」と「と」を一文字にした文字。

「い多わり个れバ」、平仮名「わ」としましたが、「バ」とにていますので「ハ」かもしれません。。

「王春連春゛」、変体仮名ずくし。

 じいさんが左手にもつ皿の上に何があるのかと拡大してみれば尾頭付きの魚でありました。じいさん立派な身なりであります。垣根は藁で組んだものでこれまたすばらしい。

 絵師はやはり動物は苦手と見えます。犬なのか猫なのかどちらにもみえますし、頭の角度がとっても変。尻尾もないし。

 

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