2022年8月17日水曜日

花咲ぢヾい(木村文三郎) その11

P8 国立国会図書館蔵

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P9後半

(読み)

ゐろり尓て多いて志

いろりにてたいてし


まつ多とつらふくらし

まったとつらふくらし


てこ多へ个る由へせん

てこたえけるゆへせん


可多奈くその者い

かたなくそのはい


をもらひ多し

をもらいたし


とてざる尓いれ

とてざるにいれ


王可゛やへもち可へり多り

わが やへもちかえりたり


(大意)

囲炉裏で燃やしてし

まったとふくれっ面で

こたえましたので、

仕方なくそれではその灰を

もらいたいとたのみ

ざるにに入れ

我が家へ持ち帰りました。


(補足)

「ゐろり尓て」、平仮名「ろ」は変体仮名「可」(か)とまぎらわしいので「いかりにて」(怒って)としても意味は通じます。3行目に「大おこり尓て」とありますので言い回しとしては不自然ではありません。

「つらふくらして」、「つら」がなやみます。

 八っつぁんふうの欲深じいさん、今度の立ち姿は完璧です。阿形(じいさん)吽形(ばあさん)の仁王像ように見開きで並んで臼をにらんでいます。爺さんの着物柄は格子縞で体の線にあわせて縞模様を変化させてうまいもんです。親方が描いたのかもしれません。はちまきの先端から手先、足先まで見事です。

 臼の置いてあるところは土間でしょうけどちょこっと雑草があります。

 

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