2022年8月3日水曜日

あさ可゛本物語(木村文三郎) その14

P10 国立国会図書館蔵

P11後半

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(読み)

二郎 もミ由起可゛ていせつをふびん尓おもひ

じろうもみゆきが ていせつをふびんにおもい


や可゛て志由うよう者てしのちミ由起

やが てしゅうようはてしのちみゆき


のあり可を多づ年あて王可゛本んごくへ

のありかをたずねあてわが ほんごくへ


つ連可へりあ起づきのおやもとへ□

つれかえりおきずきのおやもとへ


(大意)

(阿曽)二郎も深雪の貞節を不憫におもい

無事仕事をおえたのち深雪

の居所をさがして見つけることができ国元へ

連れ帰り秋月の親元へ


(補足)

「や可゛て」「おやもとへ」、「や」を比較すると、後者は現在と同じ筆順で同じかたち。前者は現在の「ゆ」のような筆順でかたちは「ゆ」にちかい。

「志由うよう」、「修養」だとおもうのですが。阿曽二郎は伯父駒沢了庵の命により大磯で郭遊びにふける主君を諌めるのが任務でしたから、それを果たしてから研鑽を積んだということで「修養」と理解したのですけど、ぜんぜん違うかもしれません。

 大井川へ飛び込まんとする深雪の表情が怖い。嵐に吹き流される髪の毛の端々の細かさが不気味。着物柄のブチブチの鮫肌のような細かな柄に鳥肌がたちます。

 

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