2022年8月20日土曜日

花咲ぢヾい(木村文三郎) その14

P11 国立国会図書館蔵

P11拡大

(読み)

Ⅹま年

 まね


をして

をして


个ん連いさ満の

けんれいさまの


おとふりをまち

おとうりをまち


可れきより者いを

かれきよりはいを


ま起ちらせバ者奈

まきちらせばはな


ハさ可春゛との

はさかず との


さ満の

さまの


めくちへ

めくちへ


者い可゛者いり

はいが はいり


多れバきよりⅩ

たればきより


(大意)

まねをして

県令様の

お通りを待ち、

枯れ木より灰を

まき散らすと、花は

咲かず殿様の

目口へ

灰が入って

しまい木より


(補足)

「ま年」、変体仮名「年」(ね)はもう何度も出てきています。○にヽのような、「Q」ににたような形です。

「个ん連い」、変体仮名「个」(け)も何度も出てきています。「々」ににたような形ですが、もとは妖怪からかさ小僧のような形。

「おとふり」、読むのになやむところです。

「者いを」、「い」が「ハ」にみえてやっかい。

「ま起ちらせ者゛」、「ら」がほとんど「ヽ」になっていてなやみますが、文意から読めます。

「めくちへ」、「く」がカタカナ「ム」の三画目がないかたちになってます。

「者いり多れバ」、平仮名「れ」も使えば、「个ん連い」では変体仮名「連」(れ)も使います。

 殿様のおつきの二人、とても漫画チックに描かれています。そしてこの三人の衣装や仕草の描写は完璧。うしろでは欲張り爺さんがこらしめられています。1ページに6人も出てきてにぎやかにぎやか。

 

0 件のコメント:

コメントを投稿