2022年8月11日木曜日

花咲ぢヾい(木村文三郎) その5

P2後半 国立国会図書館蔵

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P3

(読み)

P2

の多可らものあ満

のたからものあま


多いで多りそのと

たいでたりそのと


奈り尓よくふ可起

なりによくふかき


ぢゝ者゛ゝありこの

じじば ばありこの


やう春をミてうら

ようすをみてうら


や満しくおもひ可の

やましくおもいかの


いぬを可りて多可ら◯

いぬをかりてたから


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「さて\/

「さてさて


うらや満

うらやま


しいこと

しいこと


多゛ぞ

だ ぞ


(大意)

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な宝物がたくさん出てきました。

その隣で欲深なじじばばがかくれ

この様子を見て、うら

やましくおもい、あの犬を借りて宝

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「さてさて

うらやま

しいことだぞ


(補足)

変体仮名「満」(ま)は特徴的な形をしているので、すぐに覚えられます。平仮名の「ま」も「とゞまりて」「いふま年を」のように使われいます。何か使い分けの規則があるのかと悩みましたが、今のところはどうやら文章のながれだろうということで納得しています。

変体仮名「可」(か)、平仮名「う」「ら」はそっくりですので気をつけます。

 婆さんの驚いて腰を引いた仕草がうまいもんですねぇ。掘るときに草履を脱いだのか裸足です。うしろの欲深じいさんは岡っ引きという感じ。犬がようやく犬らしくなりました。

 

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