P4後半 国立国会図書館蔵
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(読み)
のき多奈起ものやいぬ
のきたなきものやいぬ
のふんあま多いで多る
のふんあまたいでたる
を見て大 い尓い可り
をみておおいにいかり
可のいぬをうちころし
かにいぬをうちころし
きの志多へうづめ个り
きのしたへうづめけり
せ うぢ起ぢゝい奈げ起
しょうじきじじいなげき
し可゛そのよの由め尓
しが そのよのゆめに
いぬき多りこ連まで▲
いぬきたりこれまで
(大意)
汚いものや犬
の糞がたくさん出てきたのを
みて、大変に怒り
あの犬を打ち殺して
木の下に埋めてしまいました。
正直じじいは嘆きま
したが、その夜、夢に
犬があらわれ、これまで
(補足)
「いで多るを見て」、たいていはカタカナ「ミ」ですけど、ここは漢字「見」。
変体仮名「可」(か)のかたちにまぎらわしいのがたくさんでてきています。「う」「り」「ろ」。
鋤(すき)を振るう欲深じじい、両脚踏ん張りなかなか立派な姿です。ばばあは縦縞でしたがじじいは格子縞です。やはり体の線や動きに合わせて微妙に柄を変化させています。鋤は簡素に丁寧に描かれていて鉄の刃の部分がリアル。刃のうしろの立木は葉の茂り具合まで描き込まれていますし、両手の上の葉(実?)は小さな丸いかたちをたくさん繰り返しかいています。
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