2022年8月18日木曜日

花咲ぢヾい(木村文三郎) その12

P10前半 国立国会図書館蔵

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(読み)

せ うぢ起ぢいさんハあるひ山 へ由起可れ

しょうじきじいさんはあるひやまへゆきかれ


き尓の本゛り可の者いをもちてゐ多る下 を

きにのぼ りかのはいをもちていたるしたを


ところの个ん連いさ満おとふり尓てその

ところのけんれいさまおとふりにてその


者いハ奈尓もの奈りとお多づ年あ連バ

はいはなにものなりとおたずねあれば


(大意)

正直爺さんはある日山へ行き枯れ木に

のぼり例の灰をかかえていたところ、その下を

その土地の県令様がお通りになり

その灰は何なのかとお尋ねになり


(補足)

4行目「者いハ」としましたが、「い」は「こ」にも「ろ」にも「う」にもみえます。誤字でしょうか。

 正直じいさんの着物柄が丸に十字のようなものから卍になりました。灰の入っている籠はやはり細い目を丁寧に描いています。人物や着物は上手なのですけど樹皮がなんとも独特です。

 

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