2022年8月22日月曜日

花咲ぢヾい(木村文三郎) その16

P12後半 国立国会図書館蔵

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(読み)

王るきことハせぬもの奈り

わるきことはせぬものなり


こどもし 由ハせ うぢ起ぢゞい

こどもしゅうはしょうじきじじい


のま年を奈さいましといひ

のまねをなさいましといい


まし多めで多し\/  \/  \/

ましためでたしめでたしめでたしめでたし


(大意)

悪いことはしないことです。

子どもたちは正直爺さんの

まねをするのですよと

言いました。

めでたしめでたし

めでたしめでたし


(補足)

「王るきこと」、変体仮名「王」(わ)は「已」のようなかたちで、変体仮名を学ばないと読めない字のひとつです。ただかたちが特徴的なので一度おぼえてしまうとまず読み間違えません。「こと」は合字。

「せぬもの奈りこどもし由ハ」、かたちの異なる「も」が使われています。どちらを使うかは使われる熟語か文章の流れかそれとも気分次第。「し由」は悩みますが「衆」と気がつけばなるほどと。

同じように使われるおきまりの言い回しは「おこさまたちは」というのがあります。

 褒美はよく三方(さんぼう、さんぽう、三宝)にのせてあたえられますが、ここのものはその特大版です。

 「定價三銭」は木印に朱肉をつけてペタンと押した感じがします。


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