2022年8月1日月曜日

あさ可゛本物語(木村文三郎) その12

P8 国立国会図書館蔵

P9後半

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(読み)

ときん春あふいぎを多のミ

ときんすおうぎをたのみ


おき志由つ多つせりあと

おきしゅったつせりあと


尓てミ由起ハあふぎのう多

にてみゆきはおうぎのうた


をよんでもらひまさしく

をよんでもらいまさしく


をつと奈りとあとを志多

おっとなりとあとをした


ふて者しり由く大 あメ尓

うてはしりゆきああおめに


可ハどめ奈りときいてX

かわどめなりときいて


(大意)

とお金と(歌を記した扇は嵐で舟が離れ離れになる直前深雪より投げ渡された)扇を頼ん

で、出発しました。その後深雪は扇の歌

を読んでもらい、まさしく

夫であるとわかり、離れがたくあとを

走り追いました。大雨で川止めときいて


(補足)

 読みにくいところはなさそうです。

 前回のブログで「朝顔物語」をネットで改めて調べたことを記しました。「物語」ではなく「日記」としたらたくさんヒットしました。

 明治10年前後から22年頃までに「朝顔日記」がいくつかの版元から売りに出されていて、なにか流行りがあったのでしょうか。英訳版も出版されているのです。6冊分をダウンロードしました。

 本のできにずいぶんと差があって、よくもまぁこんな本(絵が稚拙だったり子どもの落書きか)とおもうようなものまであります。朝顔物語や朝顔日記といえばあぁあの阿曽二郎と深雪のはなしかと当時は誰でも知っていた有名な物語だったようです。

 徳右衛門の表情が生き生きとした渋さというか、たしかにあずかりました、おまかせくださいという自身がにじみ出ています。うしろの板戸が存在感があります。

 

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