P108 「船橋市西図書館所蔵」「画像の無断ダウンロード禁止」
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(読み)
丹 波 國 燧 石 切 出 之圖
たんばのくにひうちいしきりだしのず
燧石(ヒウチイシ)ハ氷上(ヒカミ)郡 の内 所 々 よ
ひうちいし は ひかみ ぐんのうちしょしょよ
里産 須゛土中 尓ある石 尓し
りさんす どちゅうにあるいしにし
て其 形 ち水晶(スヰシヤウ)のことし其 色
てそのかたち すいしょう のごとしそのいろ
白 きあり鼠(ネズミ)色 あり金属(カネノルヰ)
しろきあり ねずみ いろあり かねのるい
を以て戛撃(タゝキ)すれば則火を
をもってたたきすればすなわちひを
発 す此 火を莔麻炭(ホクチ)尓うつし
はっすこのひを ほぐち にうつし
て火を點(テン)ず故 尓火打 石 と
てひを てん ずゆえにひうちいしと
称 して民 家尓用 ひざる処 奈し
しょうしてみんかにもちいざるところなし
(大意)
略
(補足)
「戛」、「かつ」と読み、「戛戛(かつかつ)『堅い物の触れる音を表す語。』」「戛然(かつぜん)『堅い物が触れて出る音のさま』」など熟語あり。なので「戛撃」は「かつげき」と読むのかな。
「莔麻炭(ホクチ)」、『ほくち【火口】① 燧(ひうち)を打ちつけて火をうつしとるもの。イチビの茎を炭にしたものや,茅花(つばな)(チガヤの花)やパンヤに焼酎・焰硝を加えて製したものを用いる。ほくそ。』
「莔麻」、『いちび【〈莔麻〉】① アオイ科の一年草。インド原産。高さ約1.5メートル。全体に軟毛が密生する。葉は心臓形。夏,黄色五弁の小花をつける。茎の皮から繊維を取り,ロープ・麻袋などに用いる。キリアサ。② 綱麻(つなそ)の別名。』
詞書きのとおり、「土中尓ある石尓して其形ち水晶(スヰシヤウ)のことし其色白きあり鼠(ネズミ)色あり」ですので、石工さんたちが掘っているところだけ色がことなっています。そのまわりの黒ずんだ岩石の濃淡が上手。
火打ち石は鉄などの金属で打ち付けたときに火花が散りますが、それは石から火の粉が出るのではなく、打ち付けた金属の粉が一瞬に酸化して火花になっているので、石どうしを打ち付けても火花はでません。
この物産図会が出版される前後にマッチが製造されて、あっという間に火打ち石で火をつける習慣はなくなりました。現在ではアウトドアで使われています。


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