P12
P13
(読み)
P12上段
とう可゛らしミそを
とうが らしみそを
こしらへ奈春り
こしらえなすり
つけれバ奈本\/
つければなおなお
い多ミで
いたみで
くるしミ
くるしみ
P13上段
ける
ける
あるひ
あるひ
うさ起
うさぎ
きふ年
きふね
をこしらへ
をこしらえ
い多る尓
いたるに
多ぬきも
たぬきも
つちふ年
つちふね
をこし
をこし
らへ
らえ
可ハへいで△
かわへいで
(大意)
P12
とうがらし味噌を
作ってなすりつければ
ますます傷み苦しみ
P13
ました。
ある日、
うさぎは木舟を作ったところ
たぬきも土船を作って
川へ出た
(補足)
話の流れが見開きの上段から下段となってますのでそれに従います。P12上段背景がやや読みずらい。
「奈本」の「奈」が「る」のように見えますが、このあとの「くるしミ」の「る」と比較してください。またP13出だし「ける」「あるひ」の「る」は上部の横棒がありません。変体仮名「留」(る)に近いです。
P12唐辛子味噌調剤と治療の図がなかなか細かいです。まな板のようなところで唐辛子を刻み、すり鉢に入れてゴリゴリ、それを油紙の和紙に塗って、その薬も赤だけでなく黒いぶつぶつを描いています。すり鉢の奥には取っ手を上に薬箱「かうやく」の木目もきれいです。そのうしろの襖絵は赤い唐辛子が飛び散ったかのように花が咲いています。うさぎの着物も洒落てますね。
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