2021年7月5日月曜日

豆本 昔咄し婦゛んぶく茶釡 その11

P11

(読み)

◇まい日\/

 まいにちまいにち


ゑいとう\/

えいとうえいとう


大いり くんじ由

おおいりぐんしゅう


奈し个るま多

なしけるまた


大 めう 可゛多尓めされ

だいみょうが たにめされ


奈ぞしてお本起尓

なぞしておおきに


可年もうけを

かねもうけを


奈しりつ者゜に

なしりっぱ に


ふしんをし

ふしんをし


[つゞく]


(大意)

毎日毎日

見物人が大勢つめかけ

大入りとなり賑わいました。

また大名がたにお招きなったりして

大いに金儲けをして

立派に普請をし

(補足)

「ゑいとう」、辞書には『興行などで,見物人が大勢つめかけるさま。また,劇場などで,大入りを願う口上の言葉。「東西東西,―,―」「四季に絶せぬ見物は―,―又―」〈洒落本・当世気とり草〉』とありました。

「くんじ由」、群衆(ぐんしゅう)のことだとおもうのですが読み間違いかも。

「可年」、「子」のようにみえるのは変体仮名「年」(ね)。くずし字は「◯」に「ヽ」のようなかたち。「もうけを」、ここでは平仮名「け」、変体仮名「个留」(ける)は習慣で以前の表記のままなのでしょう。

「りつ者゜」、半濁音の「◯」がとてもはっきり立派であります。

P10P11見開き

 ここの場面は舞台ではないので、大名家にお招きになったときの座でしょう。髪型はきっと大名家の奥方のもでしょうし、着物柄も一人ひとりことなっています。

 

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