2021年7月19日月曜日

豆本 さるか尓合戦 その12

P12

(読み)

こゝへき多りこのあい多゛ハ

ここへきたりこのあいだ は


まこと尓おきのとくお王び

まことにおきのどくおわび


尓き満し多といろりそバへ

にきましたといろりそばへ


よれハ奈可与り多満ご

よればなかよりたまご


者年いでさるの可本へやけ

はねいでさるのかおへやけ


つきこれハ多満らぬ

つきこれはたまらぬ


とぬ可ミそをつけんと

とぬかみそをつけんと


せし可゛王き与り

せしが わきより


者ちいでさん

はちいでさん


\゛/尓さゝれ●

ざ んにさされ


(大意)

ここへやって来ました。

「この間は

まことにお気の毒でした。

お詫びに来ました」と囲炉裏のそばへ

近づいたところ、囲炉裏の中からたまごが

はね出てきて、猿の顔にやけどをさせました。

これはたまらぬと、糠味噌をつけようと

しましたが、脇から蜂が出てきて

さんざんに刺され

(補足)

「まこと尓」、「き満し多」、平仮名「ま」と変体仮名「満」(ま)。

「よれハ奈可与り」、平仮名「よ」、変体仮名「与」(よ)。

縁側は竹であつらえたようです。障子の桟が丁寧に描かれています。

 

0 件のコメント:

コメントを投稿