2021年7月3日土曜日

豆本 昔咄し婦゛んぶく茶釡 その9

P9

(読み)

与りきん志与のやしを

よりきんじょのやしを


与びそのちや可゛満を

よびそのちゃが まを


うり

うり


者ら

はら


ひし可゛

いしが


[つぎへ]

 つぎへ


(大意)

その後、近所の香具師(やし)を

呼び、その茶釜を

売り払いました。

(補足)

 近所(きんじょ)を「きん志与」と変体仮名にして、香具師(やし)を「や志」としない、使い分けがいつものことながらわかりません。

綱渡りしているたぬきは貴族の衣装、緑色の衣服を「袍(ほう)」というらしいですが、柄は茶釜のようです。

P8P9見開き

 たぬきはなんと下駄で綱渡りしています。綱渡りに扇と傘は必需品。見開き中央を斜めに綱が横切り、左上に主役のたぬき、右下に口上を述べる香具師と観客と上手い構図です。傘は裏を少し見せるだけ。たぬきの尻尾がのぞいています。

 

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