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(読み)
明治十九年十一月二日内務省交付
む可し\/ ある
むかしむかしある
や満可げ尓
やまかげに
さると可尓
さるとかに
ありあるひ可尓ハむ春
ありあるひかにはむす
びをひとつもちさるハかきの
びをひとつもちさるはかきの
多年をもちき多りむ春び
たねをもちきたりむすび
ととり可へくらゐ个る可尓
ととりかえくらいけるかに
ハ可起の多年をもち
はかきのたねをもち
王可゛やへ可へり尓ハへ
わが やへかえりにわへ
(大意)
昔々ある
山かげに
猿と蟹が
いました。ある日蟹はむすびを
ひとつもち猿は柿の
種をもって来ました。(猿は)むすびと
取り替えて食べてしまいました。蟹は
柿の種を持って
我が家へ帰り庭へ
(補足)
この豆本は保存状態がとても良くて文字にかすれがなく絵の色合いも鮮やかです。発売された当初のままではないかとおもわれます。
文章に難しいところはなさそうです。
猿の体毛の色が濃紫色、僧侶なら高僧であります。それに花柄の赤いちゃんちゃんこが可愛らしい。手には柿の種をひとつ持っているはずですが、拡大してもわかりません。蟹のでっかい白いむすびは10人前くらいありそう。蟹の腹のしかめっ面のシワは定番です。山奥のどこかののどかな風景です。
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