P12
P13
(読み)
P12下段
△けれ
けれ
バうさ
ばうさ
ぎ多ぬ
ぎたぬ
きのふ
きのふ
年をふち
ねをぶち
こハし多ぬ
こわしたぬ
起ハ水 尓
きはみずに
P13下段
う起つ
うきつ
志づミつ
しずみつ
うちころ
うちころ
して可多
してかた
起をとり
きをとり
多りぢゝい
たりじじい
も大ひ尓
もおおい
与ろこび个る
よろこびける
めで多し\/\/
めでたしめでたしめでたし
(大意)
出たところ、うさぎは
たぬきの船をこわしてしまいました。
たぬきは浮いたり沈んだりしながら
溺れて殺し、かたきをとりました。
じじいも大喜びでした。
めでたしめでたしめでたし。
(補足)
たぬきの座っている畳の色で文章が読みづらい。
「う起つ」、変体仮名「起」がかすれていますが、文章の流れからも、このあと5行目「起をとり」の「起」と同じ形です。
「うちころ」、「う」がにじんでしまってます。しかしよく見ると一行目の「う起つ」の「う」と同じです。
唐辛子味噌を背中にぬられて、たぬきは背筋を伸ばし、両手もつっぱらかせています。しみて痛そう。赤いふんどしをのぞかせ、脱ぎかけた着物柄も簡単な柄ではないし、座布団はさらに縦横柄と手がこんでいます。そして左にみえる木の火鉢、木目も描いています。窓の外はたぬきの悶絶もどこ吹く風、凪いで静かに沖には帆掛け船が・・・
P12P13見開き
最後の頁まで大変に丁寧に描かれている豆本でした。
御届明治十九年九月廿日
馬喰町二丁目店十四番地
編輯兼
出版人 綱島亀吉
裏表紙はこのシリーズの池に遊ぶ亀。
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