2021年8月13日金曜日

豆本 新版狐の嫁入 その12

P13

(読み)

ふうふ奈可むつましく

ふうふなかむつましく


くらし个る可゛

くらしけるが


本ど奈く

ほどなく


お志ろハく王い

おしろはかい


多い奈しや春\/と※

たいなしやすやすと


※あんざん奈し可奈ひ

 あんざんなしかなひ


よろこびいよ\/者ん

よろこびいよいよはん


志゛うしめで多し\/\/

じょうしめでたしめでたしめでたし


\/

めでたし


御届明治一九年九月廿日

編輯兼 馬喰町二丁目十四番地

出版人 綱島亀吉


(大意)

 夫婦仲は睦まじく

暮らしていました。

ほどなくして

おしろは懐妊し

安産は楽にすみました。

家庭は悦びに満ちた日を過ごし

ますますにぎわい

繁盛しました。

めでたしめでたし

めでたしめでたし


(補足)

「お志ろハく王い」、「く王い」がわかりにくい。「く」が「へ」にみえてしまいます。

「あんざん奈し可奈ひ」、最初は「あんざん奈し个るひ」とおもったのですが、しかし「る」はこのかたちではありません。なので「奈し」できれて、「可奈ひ」(家内)と読みました。

「いよ\/者ん」、「者ん」が悩みますが、次に続くのが「志゛やう」(じょう)ときてますのではんじょう(繁盛)だろうと推測です。

P12P13見開き

 でんでん太鼓であやすは、さすが大店の若旦那、白足袋まで履いて上等な身なりであります。

今回はP10の文章がわからなく、咽に棘が刺さったまんまの感じです。なんとかしなくちゃ。

裏表紙

いつもながらの泳ぐ亀たち。ホッとするひとときです。

 

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