P2前半 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵
(読み)
我慢 奈く豪 情 奈く扨 ハ登おもふ一 念 も奈き尓於
可゛まん ごうぜう さて いちねん
が まんなくごうぜいなくさてはとおもういちねんもなきにおい
てハ鬼神 といふ登も其 人 のこゝ路をさとること阿多
きじん 曽のひと
てはきじんというともそのひとのこころをさとることあた
ハ春゛と志るべし楚れ可゛中 尓も獣 怪 と天け毛のゝ年
奈可 志゛うく王い とし
はず としるべしそれが なかにもじゅうかい とてけもののとし
経多る可゛人 倫 の眼 をくら可゛し隠 忍 天魔を奈春有
へ 志ん里ん あ奈こ 可くれ志のび ま あり
へたるが しんりんのまなこをくらが しかくれしのびてまをなすあり
(大意)
思い上がった気持ちもなく、強情な気持ちもなく「さてはあれは(なんだ)とふとおもうこと」もなくては、鬼神といえどもその人の心の中のうごきを理解することはできないとしるべきである。
そのような「奇怪」のなかでも、「獣怪」といって、獣の年をとったものが人々の目をくらまし隠れ忍んで人に害悪をなすことがある。
(補足)
「おもふ」「一念も」、「も」のかたちがことなっています。
「於(おゐ)」、虫に食われていますが、振り仮名がなんとか読めます。
「こゝ路」、変体仮名「路」(ろ)は初めて見ると???ですけど、特徴的な形なので覚えやすい。
「楚れ可゛」、変体仮名「楚」(そ)もよくでてきます。
「け毛の」、変体仮名「毛」なのか平仮名「も」なのか小さすぎてよくわかりませんけど、多分変体仮名でしょう。
「隠」のくずし字はきっと何度目にしても読めそうにありません。
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