P8 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵
(読み)
飛 縁 魔
ひのえんま
ひのえんま
顔 可多ちう津くし个れど毛いと
可本
かおかたちうつくしけれどもいと
お曽路しきもの尓天夜奈\/
よ
おそろしきものにてよなよな
出 天男 の精 血 を吸 つゐ尓者
いで 於とこ せい个つ 春ひ
いでておとこのせいけつをすいついには
とり殺春と奈む
ころ
とりころすとなむ
(大意)
飛縁魔
顔かたちは美しいのだが、大変に
恐ろしいもので、夜ごと
あらわれ、男の生き血を吸い、ついには
とりついて殺してしまうということだ。
(補足)
飛縁魔の振り仮名は、現在と同様の現代仮名遣い。「飛」のくずし字の「九」に似た形は他の漢字のくずし字にもよく見られる形です。
「う津くし」、変体仮名「可」(か)と平仮名「う」はほとんど同じ形です。ここの「う」よりも3文字上の変体仮名「可」のほうがよほど「う」らしくみえます。
わかりずらい変体仮名「毛」(も)、変体仮名「路」(ろ)がつづきます。
「もの尓天」、ここの変体仮名「尓」(に)は英筆記体小文字「y」の小さいかたち。
蓮の花咲く池が地獄を連想させます。
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