表紙
序1 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵
(読み)
桃 山 人 夜話巻 一
とうざんじんやわまきいち
序
じょ
佛 尓幽 霊 登唱 ふるは五位鷺 の吸 物 尓し天
ぶつ ゆう連い と奈 ごゐさぎ 春ひもの
ぶつにゆうれいととなうるはごいさぎのすいものにして
納 所 可゛亡者 を称 春るかハ一 切 魚 類 の総 名 也
奈つしよ 毛う志゛や せう いつさいぎよる以 曽うミやう奈り
なっしょがもうじゃ をしょうするかはいっさいぎょるいのそうみょうなり
当 時拂 底 奈る毛のハ野暮登变 化
とうじふつて以 や本゛へんげ
とうじふっていなるものはやぼとへんげ
の婦多川奈りといへども春 泉 子邵 康 節 の
志ゆんせんしせうこうせつ
のふたつなりといえどもしゅんせんししょうこうせつの
一 念 越起 しこゝ尓勧 善 の元 興 寺越畫 く
いち禰ん おこ くハんぜん ぐ王ごうじ ゑ可゛
いちねんをおこしここにかん ぜんのげんこうじをえがく
予 又 無量 の妄 想 を發 し天是 尓懲 悪
王れま多む里やう もうざう おこ これ てうあく
われまたむりょうのもうそうをおこしてこれにちょうあく
乃文盲 閑 話を加 ふす禰き里の膏薬
毛もん可゛王 くハ かうやく
のももんが わをくわうすねきりのこうやく
(大意)
桃山人夜話巻一
序
仏道で「幽霊」と言っているのは「五位鷺の吸物」のことであり
寺院で「亡者」と名付けているのはすべての魚類の総称のことである。
今どきすっかりなくなっているものは、野暮と化け物のふたつと云うが
春泉子は(中国の学者)邵康節と同じような一念を起こして
善を勧める(様々な(無いものを形にした)仏像のある)元興寺を画いた。
わたしもまた、数限りない妄想を重ね、これに悪を懲らしめる
見たことも聞いたこともないような話を加えよう。
自らのスネを切って膏薬を貼って治すなどというインチキや
(補足)
文中「春泉子」とあるのは絵師「竹原春泉斎」のこと。「桃山人夜話」は天保12年(1841)に刊行されています。
このBlogでは変体仮名の読みの練習学習を第一としています。それら以上の知識や素養もなく間違いもたくさんあるとおもいますがご容赦ください。(読み方)は原文が2行ありその下にひらがなで読みがあり、3行となって読みづらくなってます。これまたご容赦ください。
「序」は大変にわかりにくい。何度も何度も読み返しました。また「桃山人夜話 ~絵本百物語~ (角川ソフィア文庫) Kindle版」も読んでみました。わたしなりの解釈(フィクションともいいます)であります。ご笑覧ください。
序文だけに句読点のように●がうってあります。本文にはありません。この本の所有者が加えたものでしょうか。古書を読んでいると黒丸や点や白丸など記号がよくあります。
なお、画像の使用にあたっては東京都立中央図書館特別文庫室より許可済です。感謝申し上げます。
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