2025年5月21日水曜日

江漢西遊日記四 その3

P3 東京国立博物館蔵

(読み)

火を焚(タ)き其 魚  を買ヒ取リ煮(ニ)テ昼 喰 能替(カワリ)

ひを  た きそのさかなをかいとり  に てひるめしの  かわり


尓喰ヒ个り夫 より其 村 を過 て柳 井津と云フ

にくいけりそれよりそのむらをすぎてやないつという


所  尓至 ル尓爰 ハ能 所  ニて瓦  屋あり爰 ニ久保

ところにいたるにここはよきところにてかわらやありここにくぼ


利右衛門と云 者 ノ方 ヘ内 坂 より能手紙 あり

りえもんというもののかたへうちさかよりのてがみあり


此 者 此 所  能役 人 と見へ多り我 等を坐しき

このものこのところのやくにんとみえたりわれらをざしき


へ通 シ先 暫   おひ可へ玉 へと云 うち絹衣(ケンフ)能

へとおしまずしばらくおひかえたまえといううち   けんふ の


夜具を出し希連ハ爰 ニて宿 を春る可と思

やぐをだしければここにてやどをするかとおも


ヘハさ尓ハ非 ス亭 主 案 内 して二町  程 行 て

へばさにはあらずていしゅあんないしてにちょうほどゆきて


大 さうなる大 家へ参 リ是(コレ)へお宿 申  付 おん

たいそうなるおおやへまいり  これ へおやどもうしつけおん


入  とある上  段 能間金 屏  風ニてかこゐて

はいりとあるじょうだんのまきんびょうぶにてかこいて

(大意)

(補足)

 しばらく、日付がありませんがこの部分の日記は天明8年9月27日(1788年10月26日)。

「爰ハ能所ニて」、ここの「能」のくずし字は、他の部分の変体仮名「能」(の)とはことなっていて使い分けているようです。

 魚屋でアカエイの切り身を買って、そのままそこのヘッツイを借りて煮魚(当然調味料もその店で借りているはず)にして、昼飯代わりにしてしまうとは、旅の醍醐味、愉快です。

 

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