P3 東京国立博物館蔵
(読み)
火を焚(タ)き其 魚 を買ヒ取リ煮(ニ)テ昼 喰 能替(カワリ)
ひを た きそのさかなをかいとり に てひるめしの かわり
尓喰ヒ个り夫 より其 村 を過 て柳 井津と云フ
にくいけりそれよりそのむらをすぎてやないつという
所 尓至 ル尓爰 ハ能 所 ニて瓦 屋あり爰 ニ久保
ところにいたるにここはよきところにてかわらやありここにくぼ
利右衛門と云 者 ノ方 ヘ内 坂 より能手紙 あり
りえもんというもののかたへうちさかよりのてがみあり
此 者 此 所 能役 人 と見へ多り我 等を坐しき
このものこのところのやくにんとみえたりわれらをざしき
へ通 シ先 暫 おひ可へ玉 へと云 うち絹衣(ケンフ)能
へとおしまずしばらくおひかえたまえといううち けんふ の
夜具を出し希連ハ爰 ニて宿 を春る可と思
やぐをだしければここにてやどをするかとおも
ヘハさ尓ハ非 ス亭 主 案 内 して二町 程 行 て
へばさにはあらずていしゅあんないしてにちょうほどゆきて
大 さうなる大 家へ参 リ是(コレ)へお宿 申 付 おん
たいそうなるおおやへまいり これ へおやどもうしつけおん
入 とある上 段 能間金 屏 風ニてかこゐて
はいりとあるじょうだんのまきんびょうぶにてかこいて
(大意)
略
(補足)
しばらく、日付がありませんがこの部分の日記は天明8年9月27日(1788年10月26日)。
「爰ハ能所ニて」、ここの「能」のくずし字は、他の部分の変体仮名「能」(の)とはことなっていて使い分けているようです。
魚屋でアカエイの切り身を買って、そのままそこのヘッツイを借りて煮魚(当然調味料もその店で借りているはず)にして、昼飯代わりにしてしまうとは、旅の醍醐味、愉快です。
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