P12 個人蔵
(読み)
You accept, therefore, the delicious bever-
age (which is not sugared, of course,
and generally draws a grimace from the
European) and pay in advance for your
seat your cushion, and your cup of tea.
If you have a fancy to indulge in an
orgy, you may just as well offer yourself
sundry delicacies, - such as little balls of
rice soaked in vinegar and wrapt in a
slice of fish, dried sea-weed, radish, tiny
morsels of cuttle fish, and other dainties.
But now everyone is silent, for the
fine curtain has risen and a hanashika ap-
pears. He is quite young, a débutant,
or, as they say here, a zenza; the consum-
mate artist, the shin-uchi, is reserved until
last, as the pièce de résistance, since he
is more likely to elicit the applause of
the audience, and, above all,to make
them come again. The zenza relates
(大意)
それゆえ、あなたはおいしい飲み物(もちろん、砂糖は入ってなく、欧州人にとってはおおむね顔をしかめるようなものだが)を受けとりますが、それらは前もって席料として、お茶と座布団の料金として支払ってあります。
あなたがもしもっと豪華にやりたいのならば、様々な珍味、それらは酢で湿した米を球状にしたものに、魚を薄切にしたものや、乾燥した海藻や大根、小さな切り身にした甲イカ、その他おいしいものを巻き付けてあるものを注文すればよろしい。
しかし誰もが今は、すばらしい幕が上がり、噺家があらわれるのを待って、静かにしている。その人物は異様に若く、デビューしたばかりなのか、客たちは彼のことを前座と言い、修行を積んだ噺家を真打ちと呼び最後の舞台をまかされている。真打ちは料理で言えばメインディッシュであり、聴衆の喝采をあびやすいだろうし、そしてなによりも、再び寄席に足を向けさせることができるからである。
(補足)
P13のお寿司だけを切り抜きました。
文中の説明通り、おいしそうです。今なら寿司桶ですが、この当時は仕出しはお皿だったのでしょう。思い出しましたが、ちょっと前でも寿司屋からではなく、魚やをかねた仕出し屋からお寿司を注文すると、必ずお皿に盛ってありました。
配達するには、寿司桶のほうが重ねることができますからほとんどがそうなってしまったのかも。お皿に盛るのはご近所さんだけになってしまったのでしょうか。
百年以上前のお寿司をカラーで見ることができるなんて、なんか不思議であります♪
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