P17 東京国立博物館蔵
(読み)
脇差(ワキサシ)を二本 さして一(イ)ツ保゜んミじかゐとて
わきざし をにほんさして い っぽ んみじかいとて
笑 ヒけり此 節 稲 の出来秋 百 性 いそ
わらいけりこのせついねのできあきひゃくしょういそ
可゛し爰 を出て程 なく戸石 と云 処 へ出ツ
が しここをでてほどなくといしというところへいず
往 来 なり夫 より徳 山 なり之 まで四
おうらいなりそれよりとくやまなりこれまでし
里の路 なり夫 より福 川 冨(トノ)ミへ二里宮 市 へ二里
りのみちなりそれよりふくかわ との みへにりみやいちへにり
此 間 舟 渡 しありおかう里四里あり山中(ヤマナカ)ヘニ
このあいだふなわたしありおごうりしりあり やまなか へに
里半 此 間 長 門能城 下萩(ハキ)へ行 路 アリ此
りはんこのあいだながとのじょうか はぎ へゆくみちありこの
山中(ヤマナカ)尓泊 ル爰 ハ一向(コウ)尓旅 人 宿 なし宿 内 一 町
やまなか にとまるここはいっ こう にたびびとやどなししゅくないいっちょう
者かり
ばかり
あり此 日短 日 尓十 四 里程歩(アルキ)多りハタコ料 理ハ
ありこのひたんじつにじゅうよんりほど あるき たりはたごりょうりは
シン菊 能ひ多し物 能ミ薪(タキキ)高 シとて風呂(フロ)
しんぎくのひたしもののみ たきぎ たかしとて ふろ
毛多てづ
もたてず
(大意)
略
(補足)
「一(イ)ツ保゜ん」、ここでも半濁点「゜」の◯がはっきりです。
「出来秋」、『できあき。秋の,稲の実る頃』。知らない単語でした。
「百性」、は百姓。
「戸石」「徳山」「福川」「富海(とのみ)」「宮市」「小郡」「長門」「萩」など村や街の名前が続きます。古地図でもいくつかの村が確認できます。
「此日短日尓十四里程歩(アルキ)多り」、なんとナント56kmです!日本橋から平塚宿の手前辺りまで、短日ですから丸一日かからないで、歩いていることになります、いやいや健脚で健康。
疲れ果てているだろうに、おかずは「シン菊能ひ多し物能ミ」(シンギクは春菊)とは、それに風呂にも入れず。不平をいうのもわかります。
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