P15 個人蔵
(読み)
Reaching out his hand from time to time,
he seizes the kettle and pours himself out
a cup of warm water, which he drinks in
a very leisurely manner so as to re-
cover breath and choose his
next phrase.
(大意)
時折、手を伸ばし、やかんを手にとり、茶碗に湯を注ぐ。彼はゆったりとした動作で飲むのだが、それはまるで息を整え、次の言葉をさがすためにしているようにも見える。
(補足)
真打ちの高座(羽織には柄が入ってます)、背筋をキリッと伸ばし、おもむろに白湯を飲むながら今夜のお客さんたちを右から左、上から下へとゆっくり眺めわたします、絵師もうまいものです。古風な昔の高座を演出して、現在の浅草演芸場でやっているといわれても、何の違和感もありません。
しかし、お客さんたちは当時の方々。最前列、右から二人目と三人目は年寄り夫婦のように見えます。女性の方が少し背中が丸くなっているのでそうなのかと、そしてその左隣に孫でしょうかね、絵師は人物をよく見ています。
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